中国軍『北』駐屯で朝鮮半島統一に楔打つ? [BM時評]

 朝鮮日報が15日伝えた「中国軍が北朝鮮・羅先特区に駐屯、港湾施設など警備」にはちょっとショックを受けました。中国東北部の資源を運び出す港湾施設を北朝鮮北部、ロシア国境にある羅先特別市に設け、吉林省琿春市からの高速道路や鉄道も中国が投資して造ります。中国軍が警備に当たるのですから完全に軍に守られた経済権益を持つことになります。北朝鮮で政権が崩壊するような有事の場合にも、韓国主導で半島統一はさせないぞ――と大きな楔が打たれたのではないかと思えます。

 「中国軍の北朝鮮駐屯は1994年12月に中国軍が板門店の軍事停戦委員会から撤収して以降17年ぶりとなる」「北朝鮮も中国軍の駐屯は望んではいないが、中国資本を受け入れるためには仕方がないと判断したもようだ」とし「韓国大統領府(青瓦台)関係者は14日、『中国が羅先で投資した港湾施設などを警備するため、少数の中国軍を駐屯させることを中朝が話し合ったと聞いている。中国軍が駐屯したとすれば、政治的、軍事的理由というよりも、施設警備や中国人保護が目的とみられる』と指摘した」というのですが、そうでしょうか。

 自国民保護の名目が許されれば有事に兵力増強は意のままですし、自国民が多い首都ピョンヤンに向かって進まない方がおかしいでしょう。かつて欧米列強が、義和団事件などで混乱する中国・清朝に対して取った行動が思い起こされます。東西ドイツ統一のような平和的なシナリオは朝鮮半島では難しくなった印象を持ちました。

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