第333回「津波の猛威と対決を選んだ浜岡原発は大丈夫か」

 総選挙が終わってまだ首班指名をしていないのに自民党の石破幹事長が選挙公約の実質凍結を言い出しています。「軍事オタク」として有名な方だけに現実に適合するしかない外交の局面を理解しているのでしょう。夢想家タイプの安倍総裁を支えているのか、一発かましているのか真相は知れませんが、これまでの自民政権からみて奥行きが深い印象があります。少なくとも民主党政権のように、中国国家主席が日本国首相に立ち話で牽制した翌日に、尖閣国有化を「断行」するよりは知恵がありそうです。

 毎日新聞の「竹島の日:来年の式典見送りを、石破幹事長が示す」は《自民党の石破茂幹事長は20日、同党が衆院選公約集に2月22日を「竹島の日」とし、政府主催で祝う式典を開くと明記していることについて「政権を担っている間に実現に向けた雰囲気を醸成していくのが先決だ」と述べ、来年の開催を見送るべきだとの認識を示した》と伝えました。

 自民党の掲げた公約は、今度の韓国の大統領選で当選した朴槿恵氏が就任する2月25日を前にしたあまりにも悪いタイミングと知られていました。就任式直前の「竹島」日本政府式典は喧嘩を売っているようなものです。石破幹事長の理屈で自民党選挙公約の凍結がうまく収まるなら、朴氏に外交上の得点を稼がせて韓国内でのフリーハンドを持たせることになり、今後の展開を考えれば遙かに賢いのです。軍事はモノとモノとの世界ですから、この局面が空想では動かない点に理解が早いはずです。