核燃料サイクルは新安全規制で事実上の凍結へ [BM時評]

 《民主党から自公両党が政権を奪い返してから、福島原発事故以降に生まれた原子力政策見直しをひっくり返しつつある。「2030年代の原発稼働ゼロ」否定と並んで核燃料サイクル全面復活が大きな柱になっているが、原子力規制委が打ち出した新安全規制が核燃料サイクル事業を事実上の凍結へ追い込もうとしている。少し事情に通じていれば見える方向性をマスメディアが見過ごしているので、再処理工場と高速増殖炉「もんじゅ」に対して重要な決定が既になされているとリポートしたい》

 WEBRONZAで6日、「核燃料サイクルは新安全規制で事実上の凍結へ」をリリースしました。上に引用した前文の通り、青森の再処理工場と高速増殖炉もんじゅが動かせなくなるはずと考えています。前半は再処理工場についてで、どなたでも読めます。もんじゅを取り上げた後半は有料会員でないと読めませんが、私のサイト第353回「高速炉もんじゅ稼働を絶望にする安全設備要求」に、核爆発を起こす最も恐ろしい「炉心崩壊事故」などを書き込んでいる内容構成です。会員でなくとも合わせて読んでいただけば論旨理解には十分かと思います。

 結語部分を引用しておきます。《茂木敏充経済産業相は衆院予算委など国会審議で、核燃料サイクル政策の継続姿勢を強調しているが、原子力規制委が打ち出している再処理工場ともんじゅへの安全の注文はクリア不能と言えるほど厳しい。北朝鮮ミサイルの脅威が再認識される昨今、再処理工場ともんじゅが標的になったとすれば、普通の原発が狙われた場合とは比較にならぬ重大事に発展することも考慮すべきだ》