鳥インフルエンザ流行第2波、200人突破し拡大 [BM時評]

 昨年の第1波に続く中国の鳥インフルエンザH7N9型流行第2波が9日、患者数200人を突破しました。ウイルス感染は拡大の一方であり、防疫に努めている中国当局にも制御出来なくなっていると見られます。ヒト・ヒト感染が疑われる家族内での多発例が3件あり、死者数も40人に迫っています。WHOが先月出したリポートにある週ごとの発生例数グラフに、人民日報などが報じている最新のデータを加筆して掲げます。  1月第3週ごろから毎日の発生数が膨らみ続け、各地の衛生庁が発表した日でまとめると1日11例になった日もあります。最近の3週間は40人を超える患者が出ています。旧正月の帰省による人の移動が大規模にあり、感染の機会が増えたのは間違いありません。お祝いに生きた鳥をさばいて料理する食習慣も悪影響を与えています。

 《<鳥インフル>中国はウイルスまん延の制御に失敗した、専門家が指摘―独紙》が《独紙ディ・ヴェルトは、ウイルスまん延の制御に失敗したとの専門家の声を紹介している。中国は1月31日から旧正月休み。数億人が移動する帰郷ラッシュに伴ってウイルスが拡散した可能性が懸念されている》と伝える通りです。

 高齢者から若い世代に拡大する傾向はますます強くなり、最近1週間で10歳未満の患者が6人も報告されました。また、死亡してから鳥インフルエンザと確定診断されるケースも跡を絶ちません。第356回「感染爆発寸前、鳥インフルエンザの困った事情」で指摘した中国医療保険制度の貧しさに起因する悲劇です。

 【参照】インターネットで読み解く!第405回「再流行の鳥インフルエンザ、患者規模が昨年を超す」