中国高速鉄道は欠陥を知りながら開業していた(20111002)
 朝日新聞が《中国高速鉄道、開業前に不具合把握 追突防ぐ装置》で開業1カ月前に「上海で開かれた会議で各地の鉄道局や車両メーカーの幹部らに安全上の問題点や対策について説明する中で、列車の追突を防ぐ自動列車保護装置(ATP)など、安全の根幹にかかわる装置に不具合があったことを報告した」と伝えました。「ハードもソフトも安全装置総崩れ中国高速鉄道」でも指摘していた欠陥を事前に知っていたのに、共産党創設90周年に合わせて無理矢理開業していたのです。

 ネットに出ない新聞紙面から問題の要点を拾うと、「車軸やディスクブレーキが安全基準未達成」「自動列車保護装置(ATP)が過熱により焼損」「緊急ブレーキの不具合」「車両検査員1830人のうち900人が現場経験が全くない新人」「1カ月前で試運転が出来ていたのは86編成中で完成していた39編成の一部だけ」と恐ろしい惨状です。日本国内の常識なら大幅開業延期でしょう。

 こうした欠陥を見るにつけ、7月の事故現場で追突した先頭車両を重機でぺしゃんこに潰し穴に埋めたのは、あまりな暴挙だったと思えます。上記のような項目が今度の追突事故に関係したのかを知るためにも、無傷状態での検証は是非モノだったはずです。あれだけ壊して元の状態を知り得たとは考えにくいのです。物証無しには責任を追及される側は納得しませんから、事故原因調査に時間が掛かっているのは当たり前です。 (了)

▼ご感想はメールで
8.目次 9.Top