缶ビールそのまま飲まないで:若者のビール離れ (20100725)
 本格的に暑い季節になって、《若者のビール離れ 「喉が渇いた状態で無理やり飲んでみたけどどう考えても不味い。どうすればうまくかんじんだよ?」》のようにネット上でビールが話題になっています。私も先日、何年かぶりに缶ビールをそのまま飲まざるをえない機会があり、苦みと炭酸の強さにおやっと感じました。ビール好きであっても、ビールはグラスで飲むべきなのです。ビールの飲み方の基本が意外に知られていないようです。

 ビールの苦みはホップが演出しています。ホップは糸状に繋がる性質があり、泡をうまくたてると液の本体から泡に多く移行します。泡をたてると炭酸のきつさも和らぎます。ビールの本体には主原料である麦芽の甘み成分が残っていますから、適度に苦さを抑えれば甘く感じられるのです。

 先日の缶ビールはアサヒ・スーパードライでした。これはもともとホップが利いたラガービールを苦みが苦手な若者向けにするべく、うんとホップを減らして生まれた銘柄です。それでもグラスに注がないで飲むと駄目なのです。

 ビールには冷やす温度も大事です。味が淡泊なビールはぎんぎんに冷やさないと飲めませんが、濃厚なビールを冷やしすぎると味を殺します。日本より涼しいドイツでは濃いビールは全く冷やさないで飲みます。

 「ビールはこんなに遠くに来てしまった」で「スーパードライが呼び起こしたビール革命は革新として評価すべきだったと考えていますが、それから後に起きた日本ならではの小手先の改良、税制の歪みによる無用の修飾が、ビールを、ビールから切り離してしまいました」と評したように、訳が分からないほどビールもどき飲料が乱立しています。しかし、選べば美味しいビールはあります。

 そして、苦みが駄目な方はビールを諦めて、夏ならジントニックの爽快感をオススメします。紹介すると「ビールよりこっちが善い」ともよく言われます。ポイントは2点。トニックウォーターに甘みが少なめのシュベップスを使い、ライムを4分の1個は搾りましょう。 (了)

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