パフィーの米国ブレイクを解読する(20051228)
「ゆるゆる」した雰囲気のJポップ女性デュオ、パフィーの米国アニメが大ヒット、「PUFFY AMI YUMI」として人気爆発と伝えられたのが1年前。特別なファンではないものの、香港、台湾、アジアでの人気を知って以前から気になっていたグループだ。今年は米国でのコンサートツアーも大成功、国民的行事であるニューヨークの感謝祭パレードに招かれたり、日経BP社・日本イノベーター大賞でジャパンクール賞に選ばれ、『文藝春秋』新年号の「世界に輝く日本人20」に登場と、ますます盛んだ。良いニュースが少ない年の瀬、予想外に拡大するブレイクぶりを解読したくなった。
まず、彼女たちの活躍ぶりを動画で確認しておこう。アニメ「Hi Hi Puffy Ami Yumi」を製作している「カートゥンネットワーク」へ行き、「in Cincert」の曲は「ブギウギNo.5」。米国ティーンに熱狂的に迎えられているライブの舞台が、全く日本のまま、脱力感漂う日本語の歌なのは最初、ちょっと異様に見えた。「日本のままで良い」とCartoon Network側に言われて始まったブレイクであることを確認しよう。それにしても、この二人はほとんどユニゾン、つまり斉唱しかしないのだが、声の相性が良く「1+1」以上の表現力になってしまう。
ブレークの伏線になったヒットアニメ「TEEN TITANS」のテーマソングから「Hi Hi Puffy Ami Yumi」で米国内に露出する機会を得て認められた。それは決して宣伝の力ではない。米国のBBSにある「How you got hooked on Puffy's Music? 」で、ニューヨークの「Amifan」が「日本に行ってテレビ番組のビデオテープを買い込み、米国に戻ってからキュートな音楽が2本目の最後にあると気付いた。それがパフィーだった」と書いているように、誰も彼もでなくとも、ある範囲の人たちには発見されて当然の音楽だったのだ。
米国にいる日本人からの発言も収録しよう。「Happy Thanks Giving」は「パフィーが New York で催された Thanks Giving Parade に日本人として初参加。こちらのテレビでも放映された。鳴り物入りでデビューした松田聖子もウタダヒカルも完全に失敗した米国市場で、あの(けだるそうな)パフィーがしっかりと成功しているさまは、ある意味で痛快でさえある」と、驚きを伝えている。