第699回「中国のモノづくり、目利き不在が決定的な穴」
激安なのに感動的なほど高音質の中華イヤフォンを発見し、中国のモノづくりを再認識しようと周辺を調べてみると決定的な穴がありました。たまたま出来た良い製品への認識が希薄で、新しく出る陳腐商品ラッシュに埋もれているのです。戦後のメイド・イン・ジャパン製品には作り手のこだわりがありました。その製品分野の目利(めき)きが作るからこそ消費者を唸らせる、世界で印象に残る製品になったと考えられます。メイド・イン・チャイナは大量に作って売ることに熱心で、製品へのこだわりが足りません。第697回「中華イヤフォン、感動もの激安の名器発見」を書いた後、そのKZ社「ZSN PRO X」イヤフォン周辺の製品にもっと良いものはないか探し、買ってみた結果はがっかりでした。
KZ社は2017年に広東省に設立で「東莞元澤音響技術有限公司」というウェブを構えています。従業員総数「51〜100人」、総年間売上高「500万〜1000万米ドル」、そして研究開発部は「5-10人」だそうです。「ZSN PRO X」はウェブトップのオススメ製品欄には入っています。
中華イヤフォンは日本のユーチューブでも人気があり、そこから情報が得られます。オリジナルケーブルの音質に雑味が感じられ、600円から2千円で交換を勧めますが、中国の通販《アリエクスプレス》で購入したイヤフォン本体の値段で話を進めます。
「ZSN PRO X」は1500円で買いました。同じ値段で買えた「ZSTX」はダイナミック型強力磁気回路の中低音、高音はバランスドアーマチュア型と同じ構造で、対抗馬としてもてはやされています。しかし、低音が薄くなり、高音がやかましくて音楽を聴く気になれません。却下です。
3500円で買えた「PRX」はスピーカ型振動板ではなく、平面振動板を駆動する高級製品構成を安く実現したものです。独ゼンハイザーの高級ヘッドフォン「HD800」に近い安心できる音質です。しかし、ベルリンフィルのコンサートを聴くと金管の強奏が足りません。美空ひばりの歌で生気を欠く曲があります。高音域のどこかに弱みがあると判断できました。再生音量が小さいので使いにくいのも難点です。
「AM16」は5000円でした。小さな鉄片を強力に鳴らすバランスドアーマチュア型と呼ばれる駆動体を、低音から高音まで音域分担して8基も詰め込んでいます。お金がかかる構成で音域バランスは良いのですが、私の耳には音がにじんで聞こえます。透明感や開放感も欠きます。もしやと思い、左右の音の回路を完全分離する「バランス接続」にしてみると「にじみ感」が消えました。しかし、副作用がありました。青江三奈のような女性歌手の色気が消えるのです。「にじみ」を音作りに使っていました。
こうして実地探査してみると、名器と申し上げている「ZSN PRO X」は、たまたま奇跡的に生まれたようです。重低音も再生できる上に通常の音楽領域のバランスが良好です。どの音楽ジャンルでも過不足なく再生します。スピーカーで言うウーファとツイーターの単純なツーウエイ構成がぴったりはまりました。「目利き」「耳利き」がもっとしっかりしていれば、さらに発展させられたでしょう。
ふだんはソニーの携帯電話やレノボのタブレットに4000曲くらい入れて聴いていて、着信やデータのやり取りで音楽の中断が頻発し困っていました。「ZSN PRO X」は邪魔無くじっくり聴きたいと思わせるので、「STAYER ポータブルMP3プレーヤー」で聴いています。現在3980円に上がっていますが、今年初めは2000円でした。ブルーツース機能が無い型落ち旧製品だから安いけど音に透明感があり、この組み合わせは推奨です。
KZ社は2017年に広東省に設立で「東莞元澤音響技術有限公司」というウェブを構えています。従業員総数「51〜100人」、総年間売上高「500万〜1000万米ドル」、そして研究開発部は「5-10人」だそうです。「ZSN PRO X」はウェブトップのオススメ製品欄には入っています。
中華イヤフォンは日本のユーチューブでも人気があり、そこから情報が得られます。オリジナルケーブルの音質に雑味が感じられ、600円から2千円で交換を勧めますが、中国の通販《アリエクスプレス》で購入したイヤフォン本体の値段で話を進めます。
「ZSN PRO X」は1500円で買いました。同じ値段で買えた「ZSTX」はダイナミック型強力磁気回路の中低音、高音はバランスドアーマチュア型と同じ構造で、対抗馬としてもてはやされています。しかし、低音が薄くなり、高音がやかましくて音楽を聴く気になれません。却下です。
3500円で買えた「PRX」はスピーカ型振動板ではなく、平面振動板を駆動する高級製品構成を安く実現したものです。独ゼンハイザーの高級ヘッドフォン「HD800」に近い安心できる音質です。しかし、ベルリンフィルのコンサートを聴くと金管の強奏が足りません。美空ひばりの歌で生気を欠く曲があります。高音域のどこかに弱みがあると判断できました。再生音量が小さいので使いにくいのも難点です。
「AM16」は5000円でした。小さな鉄片を強力に鳴らすバランスドアーマチュア型と呼ばれる駆動体を、低音から高音まで音域分担して8基も詰め込んでいます。お金がかかる構成で音域バランスは良いのですが、私の耳には音がにじんで聞こえます。透明感や開放感も欠きます。もしやと思い、左右の音の回路を完全分離する「バランス接続」にしてみると「にじみ感」が消えました。しかし、副作用がありました。青江三奈のような女性歌手の色気が消えるのです。「にじみ」を音作りに使っていました。
こうして実地探査してみると、名器と申し上げている「ZSN PRO X」は、たまたま奇跡的に生まれたようです。重低音も再生できる上に通常の音楽領域のバランスが良好です。どの音楽ジャンルでも過不足なく再生します。スピーカーで言うウーファとツイーターの単純なツーウエイ構成がぴったりはまりました。「目利き」「耳利き」がもっとしっかりしていれば、さらに発展させられたでしょう。
ふだんはソニーの携帯電話やレノボのタブレットに4000曲くらい入れて聴いていて、着信やデータのやり取りで音楽の中断が頻発し困っていました。「ZSN PRO X」は邪魔無くじっくり聴きたいと思わせるので、「STAYER ポータブルMP3プレーヤー」で聴いています。現在3980円に上がっていますが、今年初めは2000円でした。ブルーツース機能が無い型落ち旧製品だから安いけど音に透明感があり、この組み合わせは推奨です。