肥満とは,脂肪とは何だろう。国立循環器病センターの「肥満さよならの医学」は「飢えの歴史が肥満の下地!」に始まる。400万年にわたる人類の歴史の中で,飢餓状態でいた時間が圧倒的に長い。わずかな食物を効率的に生かす仕組みが脂肪を増やすことであり、増えた脂肪は減らないようにすること。中高年に増えている糖尿病も同じ理屈である。飢えているときに血糖値が下がらない、ふらふらにならない体質の方が生き延びられた。その強者の体質が飽食の時代に向かない。

 国民栄養調査では,カロリーの1日摂取量は以前と変わらない。どうして,こんなに肥満が増えたのか。この答も飢餓の歴史にある。人間の体は食べた物をすべて消化吸収してはいない。人それぞれの環境で決まる,一定割合の量を排出してしまう。やせの大食いと言われる人は,それが多い。しかし,摂取量が同じでも飢餓状態にある時間が長くなると,体は飢餓への危機を感じ今度食べ物が入ってきたら吸収量を増やす。


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