翌16日に国内では原子力災害対策特別措置法が施行された。東海村の臨界事故でさらけ出した,事故時の無策ぶりへの反省から生まれた。原子力保安検査官や原子力防災専門官を原子力施設所在地域に常駐させて検査や緊急時の連絡にあたることや,対策の拠点になるオフサイトセンターの指定などが目新しい程度。

 新たに民間などから採用した防災専門官の危機管理への訓練は始まったばかりであり,複雑な事故事象の推移を考えると修羅場で多くは期待しない方がよい。

 原発反対サイドから,現在の避難基準のおかしさについて象徴的な指摘がある。「事故の過小評価は許さない! 市民サイドの総合評価会議発足」は言う。

 「臨界事故前の9月3日に宮城県が実施した防災訓練では、住民参加の避難訓練が行われています」「女川原発から5キロ離れた石巻市民の避難が必要になるように事故想定を行った結果、希ガスでチェルノブイリ事故の10数倍の放射能放出量が想定されているのです」「それぐらい大規模の事故にならないと防災マニュアルの避難基準が役に立たないを示しています」

 東海村でも放射能の雲が上空を通過する,小雨が降る校庭で子供たちは遊び続けた。ドイツよりも長く原子力とつき合うにせよ,米国なみ,これまでより一桁上,2000人規模の人材を備えた安全規制機関,それも推進側から「完全に独立した」機関が必要である。


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