新・裁量労働制にも警鐘 過労自殺に最高裁判決 (20000412)

 介護保険の導入など,この新年度にいろいろな制度がスタートした。ビジネスパーソンに見逃せない動きは,労働基準法が改正され,「新たな裁量労働制(企画業務型)」がホワイトカラーに広く適用されるようになった点である。

折しも3月末,大手広告代理店「電通」での20代社員の過労自殺に対して,最高裁は「企業には、過労によって社員が心身の健康を損なわないようにすべき義務がある」と,全面的な責任は会社側にあるとする初の判断を下した。

 これまで認められていた裁量労働制は,専門的な技術者が時間の制約をあまり気にしないで研究開発に取り組めるようにするものだった。ところが,新・裁量労働制はホワイトカラーの生産性が欧米に比べて低く,構造的な改革が必要との認識から出ている。


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