コメ豊作と無策農政で専業農家は壊滅へ(20000926)

 収穫の秋が来た。今年も豊作で,既に新米が食卓にのぼっているが,いつもの年ほど値段が高くないことに気付かれているだろうか。私の周囲でも夏場に買った昨年産コシヒカリと,コシヒカリ系の早場米新米がほとんど同じ値段である。自主流通米の取引で,前年より10%も安い相場が出来てしまった。

 食管制度が出来て以来初めて,政府によるコメの買い入れがゼロになると予想されるほど,あちこちにコメがたぶついている。エサ米にするなどの処理をしなければ,国内米の余剰在庫量は年末300万トンに膨らむ。安値の原因はこ うした過剰感にある。

 食糧庁が昨年11月に作った「平成12年産米穀の生産及び出荷指針」にある数字でもう少し詳しく説明すると,政府米から販売が予定されていた75万トンが全く売れず,今年10月末の予想在庫203万トンにそっくりプラスされ,かつ,豊作で30万トン程度が余分に生産される事態である。


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