値崩れの進行を止めようと「減反、100万ヘクタール台へ 全中が方針、 過去最大に」などのニュースが流れている。98年に積み増されて96万ヘクター ルにもなっている減反を,さらに10%程度拡大する案が有力らしい。「2,3 年辛抱してもらえたら適正在庫まで減るから」と政府は約束していたのに,現 実はさらなる減反の拡大である。

 豊作貧乏に加えての減反拡大は,これからの稲作生産を支えてもらわねばな らない専業農家に,壊滅的な打撃になりかねない。商品の値段が下がれば引き 合わない生産者は手を引き,生産性の高い生産者に設備が集約されて,競争力 がますます高まる,という経済の基本図式がコメには通用しないからだ。

 私の連載コラム第21回「コメ作りの破局を見ないために」(通勤ブラウザ経由・iモード可) でも描いているように,全体の4分の3を占める兼業農家は,先祖譲りの水田を守るため,あるいは自分で安心して食べられるコメを求めて,採算性を度外視して作っている。コメ以外の収入が大きいから,値段が多少安くなっても関係ない。

 専業農家は違う。投資した経費を回収して,来年に回さなくてはならない。10%の売り上げ減はそれだけでも大きな打撃だが,減反が追い打ちを掛ける。


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