減反を拡大する場合,専業農家だろうが兼業農家だろうが,おかまいなく押しつけられる仕組みになっている。98年の減反拡大でも問題になった専業農家の保護は難しい。だから,もっと効率化して価格低下に対処して行かなくてはならない時に,一番強力な武器である「規模のメリット」が削られるのだ。

 専業農家の疲弊は既に相当なものになっている。農水省の第1回食料・農業・農村基本問題調査会に出された資料「食料・農業・農村をめぐる情勢」「2生産構造(5)農家経済」に,世帯員1人当たりの家計費比較がある。勤労世帯を「100」とすると,95年の時点で,農業外の収入に主に依存している第2種兼業農家は「135.8」もあるのに,専業農家は「91.6」しかない。

 今回の減反拡大では,専業農家は反乱を起こす立場にあると思うが,地縁的なしがらみが許すはずもないだろう。

「新しい基本法の中で一番に担い手を育成していくんだという言葉はあちこちに出てきているにもかかわらず、その担い手となるべき大規模農家そのものが意欲を失っているというのが現実です」と、世界貿易機構(WTO)農業交渉について、東北農政局主催「意見を聞く会」で農業団体が報告している。


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