とがずに美味しい無洗米が本格的に普及し始めた(20010210)

 組合員が40万人以上いる京都生協が2月から、米についている米ヌカを研(と)がずに炊ける米「無洗米」を本格的に導入し、年間扱い量6000トン全てを無洗米に切り替えていくことになった。すでに東京では首都圏コープ事業連合が「マイキッチンのおすすめ品」で同種の米を販売して好評を得ている。米穀業界は昨年秋、全国無洗米協会を設立してPR態勢を整えており、本格的な普及が始まった。

 無洗米は和歌山にある東洋精米機製作所が開発した。最初の狙いは環境汚染対策だった。同社の「皆さまは汚水公害の原因を誤認していませんか?」が紹介しているように、川や湖の汚染原因の70%は生活廃水であり、その最大部分を占めるのが意外なことに米の研ぎ汁だった。研ぎ汁に含まれるヌカの量は全国で年間40万トンにもなる。

 水を使わなくて米ヌカは取れているのだろうか。無洗米は、米ヌカの粘着性をちょうどチューインガムのように利用し、玄米を精米した段階で周りに付着しているヌカをヌカ同士くっつけ合って、きれいにはがしてしまう。水を使って研ぐのでは、いかに上手な人でもここまでは無理だ。実物を見た人は、米の白さに驚くはずである。はがした米ヌカは、良質の肥料として田畑に戻されている。 (次項へ)


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