小泉内閣が既に変革した若者の心(20010709)

 小泉内閣が発足して2カ月が過ぎた。驚異的な内閣支持率を保っているばかりか、テレビ朝日の世論調査によると、自民党の支持率も押し上げ50%を超えたという。今月末の参院選は自民圧勝になる勢いだ。マスメディアの中には、反小泉首相・反田中外相の発言が国会で出れば抗議が殺到する熱狂の行き過ぎをとらえて「もっと冷静になろう」と訴える論調も出ている。これは果たして「浮かれ」や一時的な「熱気」なのか。そうではないと私は考える。

 小泉人気については、ふたつの部分を分けて観察する必要がある。自民総裁選で小泉純一郎に投票した自民党員は中高年が主体だ。彼らは従来の義理や地元代議士とのつながりを捨てて「変革」に賭けた。経済失政経験者の橋本龍太郎にはもう期待するものはなかった。

 一方、首相になる前後から熱気を帯びてきたのは、若い世代と女性たちである。選挙権を持たない子どもたちまでも政治に関心を持ち出した。携帯電話用のサイト「小泉純一郎 応援・批判サイト」の「大好き純ちゃん掲示板」に「くうこ」名でこんな書き込みがあった。

 「テレビも新聞も見ない、もちろん政治なんて全然興味のなかった私が政治を学びたいと思いはじめたのも、純ちゃんのおかげです。あー、めっちゃ好きだー(*^^*)。でも周りにはそういう人がいないので寂しい。高校だしなあ」

 ネット上をあちこち見て回れば、この高校生がひとりで思っているような例外的な存在でないことはすぐに分かる。(次項へ)


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