日産と東芝,決算の劇的改善は“脱・日本的QC”(20001121)

 10月末,日産自動車は「2000年度中間期の決算見込み」で「連結営業利益は1,366億円(12.6億USドル)に達し,売上高営業利益率は4.5%となり,これらは過去10年間での最高値」と発表した。

 前後して,やはり「平成12年度中間決算」を出した東芝にも劇的な経営改善が見られた。連結で税引前利益1,062億円は,前年度同期の656億円に上る赤字とは別世界である。

 ルノーから乗り込んだ剛腕ゴーン社長が再建に大なたを振るっている日産。それにしても早い立ち直りの秘密は,大幅原価削減に向けて,部品購買と開発の両部門が部品メーカーを巻き込んで共同で取り組んでいる点にある。この,あまりに当たり前の改善運動が,品質管理手法として有名なQCサークルでは不可能だった。部門別,縦割りの世界での改善提案をいくら積み上げても,劇的変革には至らない。(つづく)


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