CPUはインテルに到底かなわないと任せ、記憶保持動作が必要な随時読み書きメモリー「汎用DRAM」でしのぎを削っていた国内各社。それが今どうなっているのか。90年代末、韓国・台湾勢の追い上げにも「技術力は上」と安易に構えている間に競争力は失われ、韓国・サムスン電子がトップに立ち、国内勢はシェア上位から姿を消し見る影もない。

 「半導体業界、甘い見通しと再三のリストラで体力消耗」は「日本半導体産業の『敗戦の象徴』とされる東芝の汎用DRAM撤退。これが一般に思われているほどは競争力を回復させない、と言ったら言い過ぎだろうか」と、辛口の批評をしている。従来からのリストラ策が本質的に競争力を回復させるものでなかった点と、今後はLSIで稼ごうとする各社の最新対策が似たり寄ったりであることを指摘している。

 国内半導体業界は共同開発計画「あすか」で、2001年から100nmから70nmのプロセス技術開発を進めている。だが、現実の動きは計画完成を待ってくれそうもなく、もう二の矢が必要になった。ロイターの「日立など電機大手5社を中心に次世代半導体を共同開発へ」が伝えるように、「電機大手5社を中心に、現行技術の枠内で、回線幅100ナノメートルの高集積度の半導体開発に着手する」のが3月現在の姿だ。これも「2001年度第2次補正予算で、『次世代半導体設計・製造技術共同研究施設整備』(315億円)が認められたため」であり、実際にどう動くかは決まっていないという。

 一貫しているのは戦略性の欠如である。国際競争をにらんでだめだと見切れたら、汎用DRAMを早い段階でどこか1社に集約してしまうくらいの決断があるべきだった。今に至っても「横並び」意識は解消されていない。

 ハード開発が一休みする次代を担うはずのソフトウエア。独立行政法人・産業技術総合研究所の「AIST Today 2001.9」の特集「情報・電子・通信分野の課題と産総研の取り組み(2)」で研究コーディネータ太田公廣氏は、国内ではソフトウエア研究者が圧倒的に不足し、世界に通用するソフトが出ない危機的状況になっていることを訴えている。ゲームソフト以外では世界に通用するものが極めて少ない。

 「総務省の統計によれば、日本のソフトウェア業界の研究本務者数は現在25,311名である」。海外に比べて国内に少ない研究支援者の数を調整し、実質的な仕事をしている指標である論文被引用回数のシェア「米国50%、日本8.7%」を掛けるといった「試算をすると、本格的研究者といえる人数は1,500名程度となる。この分野は他の分野とは異なり、国際的論文としてはほとんど発表されていないので」国際級、本当の研究者と言える「数字はもっと厳しくなり、1,000人を大幅に割ることは充分に考えられる」。自立した本格研究者は実に、零に近い。

 インドは、この15年間に年間12万人ものソフトウエア技術者を育てるようになり、米国の年間7万5千人をも上回るようになった。それに対して日本は数千人程度とみられる。 (了)

▼ご感想はメールで
7.前項 8.目次