現在の調査はほとんどが電話による。有権者名簿から無作為抽出して電話番号を調べる場合,最終的に行き着ける割合は5〜6割に止まる。コンピューターで電話番号をランダムに選ぶ手法も実用化されている。いずれにせよ,過去に自宅や勤め先を割り出し面接調査していたのと比べて,精度がひどく落ちていると思う。
私自身,面接方式の調査は支局員時代に何度も指揮した。都市近郊の,なかなか会えない,自宅に戻ってこない「人種」から,どれだけ調査票が回収できるかで精度は決まると信じていたし,そのために学生アルバイトとしてプールしていた精鋭メンバーとお金を惜しまなかった。
自分の電話番号を電話帳に載せない人が増えるようになって久しい。そうする人と,昔から電話帳に載せたままの人とライフスタイルに違いはないか。さらに携帯電話の普及で固定式の加入電話が減り始めているのが現代である。電話帳から調べられる「人」には,「定住」「安定志向」などのバイアスがかかっていないか。
今回の結果では民主党の躍進よりも,自由党と社民党の頑張りが驚きだった。その答えの一つを,読売新聞によるインターネット利用者900人継続調査「第3回 」に見つけた。政党のCMで印象に残ったのは,自由党が37%とダントツなのだ。2位の民主党にして13%に過ぎない。ネット上で把握されていた「動き」は情勢調査には表現されなかった。
また,社民党は今回,「護憲の党」としてよりも「女性の党」として認識された観がある。この女性たちの動きも十分に把握されなかったと思っている。