選挙情勢調査として公表する以上,上の予測の範囲には入ってもらわないと困る。自民党から保守党までの7政党で,両紙の予測範囲にあるのは朝日の公明・共産,毎日の自由だけである。
調査実施は投票日の1週間も前なので,投票態度を決めていない有権者が5割程度いる。このため情勢調査の報道を見て態度を決める,あるいは変える人が多数出る可能性がある。いわゆる「アナウンス効果」だ。
98年参院選では投票率が前回比14ポイントも急増し,自民惨敗に導いた。45%くらいに考えていたのに,3割も増えて59%にもなった。これはメディア側の事前予測を根底から無効にする票数の増加であり,「アナウンス効果」も含めてやむを得ない印象が残った。しかし,今回の投票率上昇は3ポイントあまりに過ぎない。
実は,新聞社の情勢調査は「アナウンス効果」を盛り込み済みである。過去の経験則を蓄積していて,選挙区ごとに生データを加工してから発表する。微かな風も取り込むよう努める。投票率の予想外の上昇もなかったのに予測が外れるのは,生データの収集に失敗しているからだと私は考えている。