サンセイ長寿社会研究所の「生涯未婚率〜結婚を選択しない人たち〜」の「年収別未婚率」データは,非婚化の経済的側面を明かしている。20歳から49歳の男女では,年収の少ない男性ほど未婚率が高く,女性側は年収700万円以上になると,男性よりも未婚者がずっと多くなる。
そこそこの収入を得られている働く女性は,結婚して苦労したくないのだろう。この国では結婚によって子育てをはじめ,いろいろな苦労が女性に多くしわ寄せされる。
議員提案した政治家たちは「日本再生会議・少子化社会対策フォーラム」で保育問題などに取り組む姿勢を見せている。
しかし,政治が本当に若者たちの心に響く施策を打ち出せるのか,疑問もある。例えば,配偶者の親が体が不自由になったら介護しなければならなくなる。この春スタートする介護保険制度は,働く女性に介護の面で大きな助けになると思われたが,身体介護は適用されても家事援助は利用者限定になった。
自民党の亀井静香政調会長の「家族が面倒をみるのが美風」発言に厚生省が押されて,同居家族がいる場合は制度から外した。その亀井氏が日本再生会議代表幹事として同フォーラムで代表挨拶しているのだから,およその先行きは見える。
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第1回「空前の生涯独身時代」(通勤ブラウザ経由・iモード可)
時評「少子化対策で政治にできること」(通勤ブラウザ経由・iモード可)
第107回「非婚化の進展をITが阻み始めた」(通勤ブラウザ経由・iモード可)