東大などの一律定年延長 阪大は追随せず独自策へ(20010319)

 昨年,東大と東工大が教官の60歳定年を65歳まで延長したが,阪大は一律の定年延長はしない方針であることが分かった。学内の専門部会は「一律では活力低下になる」との見方で一致し,外部からの研究費獲得額を評価に取り入れ任期制で延長するなどの方法を全学的に検討,夏までに案をまとめる。

 東大定年延長では,元理学部長の益田隆司名誉教授らが強い批判を展開し,決定を前に学士会館でOBたちを集めて「東京大学の停年延長を危惧する」シンポジウムを開いている。詳細な音声・映像付き議事録がホームページにある。

 その「9.討論」などを読むと,表向きにされている説明「『東京大学教員の定年年齢の引き上げ』に関する記者会見」とは,当然のことながら,かなり違った力学が働いている。出席して答弁した理系の副学長,小林正彦氏はこう述べている。

 「ご存知の通り副学長のもう一人は,やはり文系です。今回の総長も文系でありまして,私一人が非常に頑張っていたんですけれども,もう一人の副学長からは,任期制なんてのは,慫慂すべきではない」「小林が勝手な任期制なんてものをそそのかしやがってというようなことで,これは副学長が時機を待って提案すればいいことだということで,私は,盛んとそれを提案しよう,みんなで議論しようということをいったんですけど,遂に押え込まれてしまったというのが現状です」 (次項へ)


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