東洋信託銀行の調査レポート「ミレニアム・プロジェクトで注目されるバイオテクノロジー」が,日米バイオ産業の格差を数字でまとめている。

 98年バイオ関連政府予算で5,600億円対2兆800億円。96年の生物学位取得者が1,875人対6万2,081人。バイオ・ベンチャー数で60社対1,300社。特に人的比較の巨大落差は,事情を知らない方には間違いと思われようが,日本の高等教育機関にある工学重視の弊害がここに極まっている。

 伝統的に発酵産業が盛んな日本は,むしろバイオには強いと思われていた。80年代,米国は一目置き,日本台頭に備えて競争力強化に努めた。

 しかし,日本バイオ産業人会議が国家産業技術戦略検討会に99年末報告した「バイオ産業技術戦略」は,現状について悲痛とも言える表現をしている。「90年代に入り、我が国に対する評価は『生命科学分野において何ら脅威ではない、プレーヤーですらない』と一変した」と。

 5月半ば,日本製薬工業協会に属する国内製薬大手十数社が年内に連合体を結成する方針を明らかにした。ゲノム創薬で先行する欧米企業を追い,遺伝子の個人差を解明して体質に合う薬を作るという。ここに至って,ようやく目が覚めたかとも思えるが,まだまだスケールは小さい。


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