制度別の医療費推移
 (単位:億円)
    健保 
7年度 95,124
8年度 98,993
9年度 97,111
10年度 95,788

    国保 
7年度 65,745
8年度 68,199
9年度 68,705
10年度 70,707

   老人保健
7年度 88,468
8年度 97,078
9年度 102,426
10年度 108,700

 10年度当初には,わずかながら診療報酬などの引き下げが実施された。健保ではそれが反映されているのに,老人保健では消し飛んで年間6000億円を超える増加なのだからたまらない。厚生省が取りまとめた速報によると,11年度では老人保健の医療費増加は9000億円に達し,国民医療費全体の伸び1兆円の大半を占めている。

 厚生省の「医療保険制度改革を考える」ホームページにある「医療提供体制の現状」に「必要医師数と供給医師数の推計」がグラフとして示されている。10年度の時点で医師が過剰に転じたとする。過剰幅は瞬く間に数千人に,やがて2万人にも膨らむ。

 広島大医学部の学生グループがまとめたレポートを,私の連載コラム第15回「医療費をめぐる攻防が本格化した」で紹介した。リンクは現在は切れているが,「医師数の増加が医療需要を生み出すという傾向は否定できない事実であり、医師数の増加に伴う医療費の増加についての影響は、病院勤務一人当たり年8,000万円、開業医一人当たり年6,000万円になるという試算もある」とあった。

 もちろん,医師は過剰ではない,もっともっと必要だとする考え方もある。余っているのは都市部だけだとも。また,米国では医師・看護婦ともずっと多くて医療費はGDP比で日本の2倍ほどもあり,それなりに水準の高い医療が実現している。


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