電子メールを取りまく逆風と……
原因ではないが、追い打ちを掛けたのがスパムメールの大氾濫だろう。「MessageLabs 社の統計でイギリスでのウイルス、スパムの発生件数が増加」に「特にスパムメールの増加が著しく、2002年には1/11 通であったのが、2003年には1/6 通に急増した」とある。この状況が2004年に入ると、5月26日の「Internet Journey」では「スパムメールが世界の電子メール数に占める割合は減るどころか、全体の70%近くにものぼり」となった。
メールボックスに入って来るスパムメールの多さにほとほと参って、私の場合は昨年夏からフリーソフトの「POPFile」を利用して自動選別してもらっている。しかし、英文の私信などスパムと誤って分類してしまう危険性もあって、時々はスパムと分類されたフォルダにも確認に行かねばならない。ソフトが順次学習していくのだが、完全ではない。
メール無しでは困る私が困っている状態だから、電子メールを使うのが嫌になった人が相当たくさん出ても不思議ではない。届いたとしても捨てられてしまい、以前ほどきちんと読んで貰えなくなっているのではないか。昨年、ホームページ紹介のメルマガにほとんど効果が見られなくなっている事実に気付いてから、その思いを強くしている。営業妨害になるので名称は控えるが、以前なら一度の掲載で最低数百件のアクセスを生んだ老舗マガジンでも、目に見える効果が出なくなっている。
メールマガジンは、インターネット上でプッシュ型最有力メディアである。待ち受け型のホームページには無い力があった。しかし、その力さえも第128回「ニュースサイトが生む津波アクセス」で取り上げた、連日数百、数千、大きくなると十数万のアクセス数を持つニュースサイト群の連携が凌駕するようになった。関心を持ったニュースのリンク先と簡単なコメントを並べて構成される単純さ、誰でもが手を出して長期に続けられる手軽さが受けて、どんどん増殖している。何十、何百ものニュースサイトが特定のニュースを順次取り上げれば、最大で数十万の津波のようなアクセスが発信源のサーバーを襲うことになった。
いま、ニュースサイトを眺めると、かっての超有力サイト「バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳」や「俺ニュース」などが休止してしまい、その穴が埋まっていない印象がある。テキストサイト・ランキング「ReadMe!JAPAN」をWaybackMachineで呼び戻して日刊ランキングの推移を見ると、残っているサイトはアクセス数を伸ばしているものの、かつて見た活気に乏しい。燃え尽き現象だろうか。ここにも陰りがある。
代わって昨年末頃からブログが台頭してきたと見る人がいるかも知れない。しかし、影響力や動員力はメルマガやニュースサイトには、まだ比べるべくもないと思っている。本場の米国でも広く読まれているブログは極めて少数で、大部分は自己満足の世界と言われている。それに比べて、巨大で確かな存在だった日本独特のインターネットパワーはどうなって行くのか。ここしばらく、注視していきたい。(了)
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