野茂が切れ味良いフォークボールを武器に,強打者をきりきり舞いさせているのはご存じの通り。佐々木のフォークはさらに鋭いとされる。彼らのフォークはとろんと落ちるボールではない。高速フォークボールと呼ばれる「消える魔球」なのだ。
福岡工大電子機械工学科の風工学グループが取り組んだ研究論文「フォークボールの不思議?」は計算と実測で,ワンバウンドするような悪球に,なぜ好打者がバットを振り回すのか明らかにしている。
佐々木投手の投げる直球とフォークボールは,打者から見て6メートル程度まで接近した地点から軌跡が分かれる。しかし,打者側はバックスイングを始めてから打撃の瞬間まで「0.2秒」程度は必要。ホームベースまで半ばに球が差し掛かったら持ち時間が無くなる。とにかく腹を決めて振りに行くしかない。
かつてヤクルトの池山選手が「大魔神,怖くありませんよ。直球と決めて振りに行くだけです。もしフォークなら,ごめんなさい」と,テレビ出演して笑わせていた。(つづく)