諦めなくなった割には中高年での有配偶率の上がり方が鈍い。離別、つまり離婚の増加がかなり打ち消している。離別は全部の世代で5年間で「増」になっている。この表に出ていない10代世代が年上世代の行動をなぞると仮定すれば、「離別」を縦方向に足し算したら生涯の離婚経験予測割合が出る。ただ、短期間での再婚があるから少な目に出ることは含んでおこう。
同時に、未婚の減少分も縦方向に足せば「脱・未婚」トータル、つまり結婚経験割合の予測になる。これも晩婚化進行傾向があるから、単純足し算ではオーバー評価とは知りつつ、いずれも「未来予測」として有効と思えるので敢えて試算してみた。
☆未来予測のための結婚と離婚の試算
[男性]
未婚減計 離別計
東京-71.37 7.59
全国-74.30 8.04
[女性]
未婚減計 離別計
東京-69.65 12.06
全国-74.28 12.03
このまま受け取れば女性の8人に1人が離婚を経験することになる。実際の割合はさらに高まろう。通常、離婚率が高まっていると言われてもぴんとこないが、この数字は直感的だ。離婚については東京は全国を引っ張る立場にないようだ。
未婚率減を合計し、100%から除した残りが生涯未婚と考えるなら、東京ばかりでなく全国でも3割にも達する勢いなのは驚きである。人口学では生涯未婚率は50歳の未婚率と定義されていて、2000年の東京で男性「18.59%」、女性「10.44%」である。この試算は、これが男女逆転に至り、さらに現在、考えられている予測をはるかに超えた水準になることを暗示していると思えてならない。連載第1回「空前の生涯独身時代」で男性の生涯未婚が25%になる可能性を指摘した。それで止まれば上々、いや、止まることはないのだろう。
今年出たばかりの「日本の将来推計人口(平成14年1月推計)」は、最もありそうな「中位」推計で「合計特殊出生率は平成12(2000)年の1.36から平成19(2007)年の1.31まで低下した後は上昇に転じ、平成61(2049)年には1.39の水準に達する」と見込んでいる。過去の将来人口推計は見直されるたびに外れ続け、常に「低位」推計に近い結果に落ち着いてしまう。今回も、早くも中位推計の「大幅外れ」が保証付きになったと言って良いのではないか。
では低位推計はどうか。前提になる「合計特殊出生率は平成12(2000)年の1.36から低下を続け、平成61(2049)年に1.10に達する」との悲観的な予測も、なお楽観的でありすぎるのではないか。東京の2001年「1.00」はそれを強くアピールしている。
2050年人口は中位推計なら1億60万人、低位推計なら9,203万人。中位推計でも心配されているくらいだから、これ以上の大幅減は、将来の年金財政問題などに極めて深刻な影を落とすことになる。
小泉首相は人口推計を憂慮、5月21日の指示「今後の少子化対策について」で「少子化の流れを変えるための実効性のある対策を検討してほしい」とし、9月には中間的な内容でよいから「メリハリのきいた対策の方向」を求めた。そういうこともあって厚生労働省の「少子化社会を考える懇談会」が審議しているが、翌6月発表の統計は、憂慮で済まない「激震」ものだったのだ。(了)
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