コラム連載開始にあたって

 これまでの新聞記者キャリアの半分を科学技術の取材に、残り半分を政治、経済、社会、司法、宗教、地方自治、スポーツなど幅広い分野に充ててきました。工学部出身の新聞記者は数少ないと思いますし、その中でも変わった経歴でしょう。大学時代にはまだパソコンは存在せず、研究室にあったようやくDOSが付いた大型ロッカー大のミニコンを1日8時間ずつ、3人の同期生で回していた世代です。

 もう1つ、私が勤務する新聞社がパソコン通信ネットをマスメディアとして初めて開設、シグオペ役を務めたのをきっかけに、この10年ほどその世界にこだわり続けてきた点も変わっているのかもしれません。'96年まではニフティサーブ上で「テクノロジー社会塾」と名付けた私的な会議室を主宰し、いろいろな専門分野のみなさんと知的好奇心に富んだトークを楽しんできました。

 今回の連載企画ではハイパーテキスト形式を使って、インターネット上に提供された素材を取り出し、組み合わせ、読み解いて、何らかの「発見」を読者のみなさんと共有しようと狙っています。パソコン通信の会議室で発言を連ねる役割を、ハイパーテキストに代わってもらう感じでしょうか。したがって、文章は新聞のコラムの書き方に、パソコン通信のフランクさが混じったものになるでしょう。

 テーマは硬軟、大小、軽重いろいろのはず。データ収集や料理法の面白さを楽しんでいただきたいと考えています。私なりの推論がおかしいと感じられた方は、素材になった原資料を精査されて自分なりの結論を導いてください。記者が原稿を書くために使った資料と同じものが、マウスでクリックすれば目の前に転がり出るというのが、この「インターネットコラム」の面白さでしょう。必要に応じてインターネット外でのオリジナル取材も加えますが、読者のみなさんによる検証可能性はなるべく確保したいと思っています。

 ネットサーフィンをしていると、キラリと光る、気になるものによく出会います。しかし、そのまま通り過ぎてしまいがちです。秘められた思わぬ意味を見つける「旅」に出かけてみましょう。

 1997年5月 団藤保晴 (INTERNET WATCHでの連載開始にあたって)


 ※追記・・・このコラムの本質は、第25回「インターネット検索とこのコラム」で解き明かされます。是非、お読み下さい。

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