団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

日銀総裁空席めぐる社説のアンフェア[BM時評] (2008/02/22)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 総裁空席で副総裁が代行に落ち着いた19日任期切れ前のドタバタ。16日付、毎日「社説ウオッチング:日銀総裁人事 民主党への批判が大勢」を見て非常な違和感を感じました。どの新聞の社説も「民主党に非あり」の大合唱でしたからこう書かざるを得なかったのでしょうが、一線の取材陣が伝えている記事のデータを冷静に読みとれば、非が一方にあるとすることには疑問ありだったのです。

 ブログから「アンフェアを語りたい」と感覚が合ったので引用します。「読者に色眼鏡をかけさせるための小手先の印象操作や、都合の悪い情報は徹底的にスルーするといったアンフェアなことが大嫌いなのです。一度色眼鏡をかけさせることに成功したら、あとは多少強引な論理展開でも読者に納得してもらえます」

 「日銀総裁人事 民主党への批判が大勢」も「うーん、私も『民主党はこの最悪な時期に何でゴネルんだ?』とつい怒ってしまいました」「しかし、冷静になって考えてみると、やはり自民党の方が横暴を極めていると言える気がします」

 「日銀総裁選び」は「この騒動、あちこち社説を読んでみても何が言いたいのかよく解らない」「とりあえずこの原因として理解できたところは、速水、福井と続いて大蔵事務次官がはずされ、この経緯のなかで小泉が次は武藤と約束し副総裁に落ち着かせたということ。これに民主が異議を唱えているらしいこと」「なんと日銀総裁が大蔵(財務)事務次官の天下り先だというのは、あまりに『官僚国家』らしい事態ではないか」と事情を知って呆れます。

 19日のフィナンシャル・タイムズ社説「求む、日銀総裁」だって「日本銀行の総裁探しは急務だと思われるかもしれない。しかし野党・民主党が『この人は強大な財務省に近すぎる』とみなす候補に次々と反対するのは、正しいことだ。市場は脆弱だし、妥協可能な候補を早急に見つける必要があるが、しかし理想の候補は『マクロエコノミスト』として優れた実績をもつアウトサイダーであるべきだ」と主張しています。海外の経済専門紙に類した社説にはお目に掛からず、各紙がそろって政府が持ち出した財務省OBに同意を迫るとは、論説委員とはいかに政権に近い存在か自白したようなものです。

 その理由ははっきりしています。多くの論説委員氏の情報源、ニュースソースが霞ヶ関、永田町周辺にしかないからです。



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