団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

NYTの苦戦、国内各紙も無縁でないはず[BM時評] (2008/05/03)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 メディア・パブの「NYTの新聞部数は下降続くが,WSJはマードック効果?で踏み止まる」を見て、ニューヨーク・タイムズの部数減少ぶりにはショックを受けました。3月末現在で、NYTは平日版新聞3位で107万部、前年同期比3.9%のマイナスです。あの有名な、超分厚い日曜版はもちろんトップですが、147万部で、何と9.2%ものマイナスと言います。平日版トップの「USA Today」228万部、2位の「Wall Street Journal」206万部が微増で踏みとどまっているのと対照的です。3月末の「米新聞協会,“新聞危機”の深刻さ示すデータを公表」も「全米新聞紙の2007年広告売上高は,前年比9.4%減の422億ドルと大幅に落ち込んだ」と伝えていました。

 国内にも日本ABC協会があって各紙の部数を調べていることになっていますが、その実態は押し紙問題とかで有名無実と言われます。政治の世界の動きを読み切れていないことを割り引いて読んでいただくとして、FACTAの「新聞ビジネス崩壊の『Xデー』〜消費税率引き上げが淘汰の引き金。経営体力が弱い『毎日』『産経』の命運は……。」に書かれていることはそんなに的外れではありません。広告の世界の趨勢なら「図録▽広告費の推移(対GDP比、媒体別)」で全体像がつかめるでしょう。新聞の転落とインターネットの上昇は、やがて交差する勢いです。

 ニューヨーク・タイムズは紙の編集部とネットの編集部を統合して運用するなど、紙の読者に比べて10倍近いネット読者にシフトした動きを始めています。問題はそれに見合うほどにはネット広告が取れないことです。国内各紙はまだ1000万部とか800万部とかの大部数を維持しているために切迫感が薄いのですが、この春から各紙ウェブサイトでちょっとした速報競争が始まりました。



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