中国の水道水事情〜浄水器はあるのか[BM時評] (2008/05/28)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 某掲示板などで「【ヤマトナデシコ大陸奮闘日記】(71)中国には『浄水器』がない?」(FujiSankei Business i.)が話題になっています。少し前に同僚女性記者が語学留学で中国に渡り、帰ってきた際に中国・水事情を話してくれました。たまたま水道水が飲めるきれいさで、沸かして飲んでいたそうですが、これが大失敗と判明した経験談です。その際に「中国で浄水器は買えないの」と聞いたのが私だったので、興味を持ってしまいました。彼女の答えも「売っているのは見たことがない」でした。

 話題の女性記者は「日本人が一般的に想像する『水道に設置する型の浄水器』は使われないとハタと気づいた。なにしろ水道水は恐ろしいことに、細菌だの、寄生虫だの、有毒化学物質だのが完全除去されずに残っている可能性がとっても高い。それが『中国クオリティ』の常識」と書いています。同僚の女性記者は水道水を加湿器に入れて運転している内に、ある日、部屋中にうっすら白いものが積もっていたそうです。指にすくってカルシウムの化合物ではないかと気付き、とんでもない物を飲んでいたと知ったそうです。外報部経験者に言わせると、それを続けたら色々な結石とかになるそうです。

 検索すると本格的に浄水器を売り込んでいる方のページがいくつも見えます。そのひとつ「上海で日本人向けの浄水器販売」では冒頭から「浄水器の取り付けでお客様のお宅におじゃまし、水道の蛇口の先端に付いている泡沫金具を取ると、それはそれはすごいものが出てきます。砂、小石、枯れ草、虫らしきものの死骸、などなど。実は、お客様にはお伝えしませんでしたが、生きた虫が出たこともありました。とても、とても、こんな水で口に入るものを洗う気にはなれません」と、もの凄い記述です。

 飲用や調理用の水だけが問題なのではなく、洗濯をすればカルシウムなどが石鹸かすに化けて残るから洗っても衣類は黄ばむ、シャワーを使いシャンプーしても髪がすっきりしないそうですから、生活用水全体の問題です。飲用水はミネラルウオーターを買うとしても、もちろん洗濯には使えません。北京五輪の各国選手団はどうやってしのぐのでしょうか。応援団や観光客も大変。日本製浄水器を持ち込んでも、直ぐに水の出が悪くなるので大型でないと無理だと「大連雑学事典・中国で浄水器を使う」は伝えています。

 昨年6月に書かれたらしい「中国家電標準化技術委員会:浄水器の国家基準制定に着手」は意外なことに「北京、上海、広州など大都市での家庭用浄水器普及率は15%」と報じています。しかし、浄水器を付ける前の水、つまり普通の水道水のレベルを何とかしてもらわないと……。生活基盤の深いところで立ち後れがあると再認識しました。



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