団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

コーヒーはがん発生抑制記事から探ると [BM時評] (2008/09/03)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 突然の首相退陣劇で失念していましたが、同じ日に「コーヒー3杯以上、子宮体がんリスク大幅減」というニュースがあり、はてなブックマーク で、「新聞社・記者の科学リテラシーが低く自ら知見の意義を評価できない以上、研究班がこう発表したというだけの記事なら価値がない。論文の出典を示すべき。論文になってないなら・・・S/N比が下がるから記事にすんな」(shin_emon)と評されていました。こんな半端な記事は困るなと思って読んだので、なるほどという意見でもあり、同時に甘えるのもいい加減に、でもあります。なぜなら、学術論文用のGoogle Scholarが使えるようになった今では、論文になっているのなら自分で探すのも難しくなくなっています。

 厚生労働省研究班主任研究者名の「tsugane」に「cancer」「coffee」を入力するだけで、2005年にもやはりコーヒーを日常的に飲むと肝臓がんの発生を引き下げるとの論文を出していることが知れます。「the JPHC Study Group」が厚生労働省研究班のことと推察できましたから、日本語サイトを調べるとJPHC Studyに行き着きました。厚生労働省がん研究助成金による指定研究班「多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究」なのだそうです。

 「現在までの成果」には79項目も並んでいて、非常に多方面から調べていらっしゃいます。コーヒーとがんの関係を扱っているのは肝臓がんと子宮体がん、大腸がん、膵臓がんの4件です。疫学調査で発生を引き下げているように見えるだけである点が、弱いですね。コーヒーの成分がこう働くとは言えていません。ただ、海外にも類似研究はあるようです。

 個人的にはコーヒーの関係よりも、「タイプA行動パターンと虚血性心疾患発症リスクとの関連」で、欧米での調査と完全に反対の結果が出ていることに驚きました。男性ではタイプBの方が有意に虚血性心疾患が多いというのです。こっちがニュースでしょうと思いました。

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