団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

今こそ求められる市場開拓型商品開発 [BM時評] (2008/09/30)

(「BM時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 ゲーム機「Wii」や「DS」の大ヒットで2008年度通期の売上高が初の2兆円、営業利益6500億円と見込まれる任天堂。「任天堂社員1人が生む利益は世界最高の1億6760万円。ゴールドマンサックス、グーグルも目じゃない」や、この記事の元になったフィナンシャルタイムズ紙の「Nintendo makes more profit per employee than Goldman」などで注目を浴びています。つい少し前までこの世の春を謳歌して、社員の平均年収7000万円とうそぶいていた投資銀行ゴールドマンサックスよりも、極東の小さなゲーム機メーカー(連結で社員3768人)が社員1人当たりでは高い利益を叩き出しているのです。

 8月末に書かれた「任天堂の財務諸表を見てみる その1」がこの春3月期で、任天堂とソニー、トヨタなどを比べています。連結決算で任天堂とソニーの比較だけ引用します。

              任天堂     ソニー
  従業員数        3,768人    18万500人
  売上高         1兆6724億円  8兆8714億円
  当期純利益         2573億円    3694億円
  1人当たり売上高    4億4384万円    4914万円
  1人当たり当期純利益    6829万円    204万円

 ソニーが悪いという訳ではないのに、この恐るべき差はなんでしょう。任天堂が好調な理由は「Wii」や「DS」で、これまでは見向きもしなかった女性層など、新しいゲーム人口を開拓したからです。市場開拓型商品開発の典型です。週初めの株式暴落に象徴されるように、これまで世界の消費を引っ張ってきた米国の不況転落は決定的です。この苦境で日本企業が目指すべきは、こうした市場開拓型商品開発ですし、政府も政策的に誘導するべきです。

 実は昔の話ですが、京都支局にいた20年近く前に「独走商品の現場・京都」〜新聞とパソコン通信で語る二十五社の市場開拓型商品開発〜を書いています。当時の京都ベンチャーの凄さを、読み返して改めて感じました。この機会に希望される方には読んでいただくことにします。内容は以下の通りです。

§0  はじめに
§1  カード型pH計……………堀場製作所
§2  静電気防止繊維……………日本蚕毛染色
§3  37形テレビ………………三菱電機京都
§4  カラー写真直接製版機……大日本スクリーン製造
§5  遠赤外線警報機……………竹中グループ
§6  無補水バッテリー…………日本電池
§7  CD包装機…………………京都製作所
§8  一粒タイプまんじゅう……タカラブネ
§9  硬質レジン歯………………松風
§10 ゲームボーイ………………任天堂
§11 高吸水性樹脂………………三洋化成工業
§12 組み合わせ式計量機………石田衡器製作所
§13 形状記憶ブラジャー………ワコール
§14 完熟用トマト………………タキイ種苗
§15 マイクロ波フィルター……村田製作所
§16 電動フォークリフト………日本輸送機
§17 遺伝子工学試薬……………宝酒造
§18 ファクシミリ………………村田機械
§19 ビデオテープ………………日立マクセル京都
§20 指式血圧計…………………オムロン
§21 インテリア布地……………川島織物
§22 磁気ディスクモーター……日本電産
§23 X線テレビ…………………島津製作所
§24 地域ビール…………………キリンビール京都
§25 電力用太陽電池……………京セラ
§26 京都企業論(工場なしの地場産業・その曲がり角) 

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