団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

GMの破綻は年内にもあり得る情勢に [BM時評] (2008/11/08)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 米自動車最大手GMの危機が顕在化しました。7〜9月期決算で25億ドルの赤字を計上した後、米クライスラーとの合併交渉を中断したと発表しました。ワゴナー会長の説明は「戦略的な買収の可能性を検討していたが、足元の資金繰りを確保することに専念する必要がある」というものでした。

 「GMとクライスラーの合併交渉決裂」が「一部噂ですが、クライスラーを実質所有している『サーベラス』も、GMも、クライスラーには当初から全く興味がなく、クライスラーが持っている手持ち資金が欲しいだけのことだそうです」と書いているのも根拠のないことではありません。朝日新聞なども同様の見方を記事に入れています。

 日経新聞が報じたところでは、5・四半期連続赤字のGMが持つ手元資金は6月末の210億ドルが9月末には160億ドルに減少しました。あの巨体ですから110〜140億ドルの運転資金は必要とされます。金融格付けは「投機的」ですから、新たに巨額を貸してくれる金融機関があろうはずもありません。クライスラーが持つ100億ドルの手元資金が、実は当面、最大のカンフル注射との見方が不思議でなかったのです。

 7〜9月期は25億ドルの赤字で済んでいますが、4〜6月期には150億ドルの赤字を出していました。9月には社員並み値引き販売をして必死で販売落ち込みを食い止めたのでした。金融破綻の10月はもうその手は効きません。GMの販売台数は前年同月比で45%も落ち込んでいます。年間1400万台もの巨大な売り上げを前提にしている企業ですから、損益分岐点を大幅に下回っていることは誰の目にも明らかです。11月も12月も好転する要素は皆無です。

 ビッグ3の残り1社フォードは与信枠と合わせればまだ300億ドルの手元流動性があると説明していますが、過去3カ月は毎月25億ドルずつ減り続けているので、こちらも半年の余裕でしかありません。「米GM、クライスラーとの合併協議を中断 大手格付機関がGMとフォードを格下げ」は「フォードはGMとの経営統合について一度は拒絶していますが、ここまで内容が酷いと、フォードとGMの組み合わせの再検討、あるいはフォードとクライスラーとの経営統合の可能性も検討せざるを得ないのではないでしょうか」「ビッグ3の1社でも潰れると、他の2社にも部品を納品している会社まで連鎖倒産して、更なる連鎖不況を生み出しかねません」と危惧しています。

 オバマ政権の登場は来年1月20日です。どうやら、新政権の本格始動までビッグ3が保たない方に賭けたくなります。ビッグ3の事業規模が半分になると、1年で関連産業を含めた雇用が250万人分消えるそうです。潰すには大きすぎますが、去っていくブッシュ政権に何が出来るかです。

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