団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

NYタイムズが外部リンク活用を本格化 [BM時評] (2008/12/07)

(「BM時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 ニューヨークタイムズ紙のウェブが5日、従来になく本格的に外部リンクを重視する方向で刷新されました。主要記事サマリーの下に小窓が設けられ、そこには記事に関連する、一般人のブログ記事や競合するマスメディア記事のリンクがびっしり埋め込まれているのです。この状態にするには右肩にある「Try Our EXTRA Home Page」のロゴをクリックする必要があります。リンク先の選択はタイムズが作った「Blogrunner」から自動的に送られ、12000ものメディアやブログの更新をウオッチしているそうです。

 米国の「Center for Citizen Media」ブログは「NY Times Continues to Push Old-Media Boundaries」で「やり方は決して目新しくはないが、我々が現に生きている、リンクで満ちた社会に進み出てくれた」と評価しています。

 国内では「メディアパブ」が「NYTサイトの窓が大きく開かれた」で「NYTサイトのトップページから、競合するWSJ.comの記事などにダイレクトリンクが張られる時代になってきた」「いよいよ新聞社サイトも鎖国政策に終止符を打ち,本格的な開国に向かい始めた。供給者の思惑だけでユーザーを囲い込んでいると、ユーザーが寄り付かなくなる」と評しています。まさにその通りです。

 翻って国内の既成メディアのネット政策は極めつけの鎖国状態です。先日、ある大学で「ネット社会とメディア」と題した講義をしてきましたが、「国内大手メディアのウェブサイトは極めて閉鎖的だ。記者ブログを設けるにしても本体と分離したり、見えにくい場所に設け、記事にコメントを受け付けるようにもなっていない」と申し上げざるを得ませんでした。

 破綻寸前の米ビッグ3を政府の巨額融資で救済する問題をめぐるウォールストリート・ジャーナルの記者ブログ、例えば「Political Wisdom: Who’s Willing to Save Detroit?」ではコメント欄でも活発な議論がされています。国内マスメディアの経営は経済危機も手伝って急速に傾いています。小手先のコストカットだけでなく、ネット社会とどう向き合うのか、共にどう生きるのか急いで検討するべきです。

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