団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

Wiiの間チャンネルは超容易セカンドライフ? [BM時評] (2008/12/29)

(「BM時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 2008年暮れも押し迫って、「家族」「生活」「絆」をコンセプトにした《任天堂と電通、Wii向けに動画配信サービス「Wiiの間チャンネル」を来春開始》とのプレスリリースが流れました。聞いた当初は大不況に突入しての縮み指向、家庭回帰に合わせた企画かと思ったのですが、しばらく眺めている間に考えが変わりました。もてはやされながら失速した仮想空間「セカンドライフ」を家族ベースにした超イージー版ではないのか、と思えるのです。

 現実にWiiでどんなことが出来ているのか、「Wii.com JP」に行けば分かります。「Wii Music」では仲間で色々な楽器を使って合奏できます。もちろん楽器は画面の中にあり、例のリモコンをそれらしく扱うことで演奏感が味わえるわけです。「街へいこうよ どうぶつの森」では街が造られて、そこでシティー生活を楽しむのですから、これだけでも簡便な「セカンドライフ」です。

 「Wiiの間チャンネル 出前チャンネル」(ブログ|ニュース&ワイド)は「お茶の間復権?ってことなんですけど」「2年前にWiiが発売された時には、テニスとかボーリングとか、けっこう家族で夢中になっちゃって、久々にお茶の間で家族そろってゲームを楽しんで、なんか懐かしい感じがしたんですね」「Wiiの間チャンネルは、どんなコンテンツなんでしょうかね」と期待を寄せます。

 プレスリリースには「任天堂(株)は任天堂ならではのユニークでどなたにもお楽しみいただけるサービスの開発・運営を手掛け、(株)電通は様々な外部企業と交渉し、Wii独自の新しいコンテンツの制作体制を構築します」とあります。「Wiiの間チャンネル」という仮想空間プラットフォームに外部企業のアイデア、コンテンツ力をどんどん取り込みますよ、と宣言しているのです。「動画配信サービス」という説明が悪いのです。

 Wiiは9月末時点で世界に3455万台が出荷され、8割がリビングのテレビに、4割がインターネットに接続されているそうです。国内に限れば11月末までの2年間で700万台を販売していますから、来年は1000万台に届くでしょうし、国内だけで数百万台が家庭からネット接続されている魅力は大きいでしょう。使用者が男女別、世代別で偏りが無いというのも大きな吸引力です。最初は国内から出発して、海外にも広げる方向のようです。

 全く新しい展開と考える方もいます。「新しい広告の形」(株式未来予想図)はこう指摘します。「任天堂と電通が本格的にタッグを組みました。TV・新聞広告業界のパトロン、トヨタが疲弊した今、王者電通も新たな有力媒体を確保する必要に迫られたわけです」「任天堂も今は何とか好調を維持していますが、新興国の中間層にゲームが普及するのはまだまだ先の話・・・。となると、現在の顧客から新たな収益を得るというビジネスモデルを何とか構築せねばならない・・・。そこにアニメや広告というネットを使った媒体が候補として浮かび上がった訳です。これは面白くなってきました。日本の広告の構造がガラッと変わる転機になるかもしれませんね」

 セカンドライフは話題になって一度は行っても再訪する人が少なく、閑散としているといいます。大不況で旅行も外食も控える時期が続くとしたら、家庭のリビングを受・発信地にした仮想ネットライフは強いかも知れません。世界中との交流も出来るでしょうから、縮こまっている生活の癒しにもなります。

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