団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

迷走、漂流の末、麻生で解散が信じられるか [BM時評] (2009/06/28)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 前週、補正予算関連の法案審議が終わっても動かず、逆に盟友・鳩山総務相を更迭して内閣支持率を大きく下げた麻生首相が、8月上旬総選挙に向けて動き出しいていることになっています。週の後半からメディア報道が気ぜわしくなりました。当分、先送りになったと考えていたので、思わず吹き出してしまいました。「何を争点にして解散するの」です。19日の時点なら、景気対策を仕上げた余勢――でもいけたかもしれませんが、支持率を下げ、押し込まれた印象の現時点では、解散をすること自体が目的の「自分の名誉のための解散」になってしまいます。自民党全体としては全く勝算無しです。しかし、その「わがまま解散」をする実行力があるのか問えば、私は無いと思っています。

 戦略とか戦術という言葉があります。政治家とは戦う存在なのですから、そうした目を持っていなければなりません。この週末になって解散含みの展開になるなら「直前に鳩山を斬るな」です。戦略も戦術もない、最高権力者にしてあり得ない「場当たり」「思い付き」の行動が目の前に展開しています。「Japan Blogs Net」から拾ってみましょう。

 「『永田町時評』NewsSUN」の「永田町日誌」(6月27日)(No642)は半ば呆れ顔。「麻生首相は、よく他人(ひと)の話を聞く人だそうだ。ただ自分が考えをもっていて他人の意見を聞くのと、何にも自分がなくて他人から意見を聞くのでは違うようだ。麻生さんは後者らしいのだ。だから他人から意見を聞く度に変わってしまうようなのだ。『ぶれる』と言われるのは、この辺に原因があるらしい」「急に内閣改造を言い始めたのも、24日夜、首相公邸を訪ねた安倍晋三元首相のせいらしい。静岡県知事選と東京都議選で自民党が敗れれば『麻生降ろし』が一気に加速することを懸念した安倍さんが、@人事刷新、A都議選前の早期解散、を進言したという」

 「衆議院議員早川忠孝の一念発起・日々新たなり」の「蹶起前夜」はかなり厳しい形相。「8月上旬の日曜日は8月の2日か9日しかありません」「しかし、広島原爆忌の8月6日の前に衆議院選挙を終えてしまうという戦略は、どうみても下策です」「勿論長崎原爆忌の8月9日を投票日に選ぶなどという無神経は、世界で最初で最後の被爆国である日本国の総理としての見識を疑わせることになります」「私はどんなことがあっても8月15日以前の選挙は回避すべきである、と考えます」

 7月12日投票の都議選の情勢は自民党には厳しいと伝えられつつあります。第1党が民主党になれば、敗れた選挙結果を手にして解散に打って出ることはあり得ないはずです。7月末で国会を閉じ、8月に臨時国会を開いて時間稼ぎをして総理総裁を替え、秋の総選挙に向かうしかないでしょう。それくらいの時間が取れれば、東国原・宮崎知事らの動きが自民党の顔・印象を多少は変えることに繋がるかも知れません。

 これからの見通しについて「ビデオジャーナリスト神保哲生のブログ」の「マル激トーク・オン・ディマンド 第429回(2009年06月27日) 意味のある政権交代を実現するために」で山口二郎北大教授がこう語っています。「小沢一郎氏が代表に就任して以来、民主党は新自由主義から再配分へ明確に路線を切り替えた」「自民党内は、小泉改革の評価をめぐり一枚岩ではないが、基本的には自民党の自由主義路線と民主党の再分配路線の対立軸がある程度はっきりと顕在化したため、次の選挙は、壊れかけた日本の社会経済システムをどのような方法で立て直すかをめぐる路線選択の選挙になった」「大きな問題は下野した後の自民党だ。自民党が野党に落ちた時、政党のアイデンティティを持ち続けることができるかどうか」

 首のすげ替えでどうにかなる時期は過ぎているとは思いますが、初の女性首相をぶつけるとか、このまま麻生解散で大敗するより、まだましなシナリオは書きうるでしょう。2大政党制の時代というのなら、自民が負けてもそこそこで止まらないと、逆に民主長期政権を招きかねません。

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