地震確率が重大増加、平地の揺れ易さ見直し [BM時評]

 解散・総選挙に集中豪雨による被害でニュースが埋まった7月22日朝刊。非常に重大な話が多くの新聞に掲載されず、掲載されても目立たない、いわば置き去り扱いになりました。全国の地震予測を公開する「『全国地震動予測地図』の公表について」と、そのシステム「新型地震ハザードステーション(J-SHIS)の運用開始」(防災科学技術研究所)です。マスメディアに説明された地震確率の見直し結果が余りにも重大です。

 読売新聞の「30年以内に震度6以上、千葉64%・横浜67%」は「政府の地震調査委員会は21日、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を地域ごとに算出した、新しい地震動予測地図を公表した」として、2008年と2009年の推計を並べています。

 都道府県庁所在地の市庁舎周辺での30年以内確率が大きく上昇した上位を並べます。
      2009年 2008年 上昇幅
 1)奈良 67.1% 16.0% 51.1
 2)千葉 64.0% 27.2% 36.8
 3)大阪 59.5% 23.0% 36.5
 4)横浜 66.7% 32.9% 33.8
 5)大分 48.3% 15.7% 32.6
 震度6弱の揺れはかなりの脅威で、特に1981年以前の古い耐震設計基準で建てられた建築物には影響が大きいと考えられます。30年以内にこれだけの地震が起きる確率が20%くらいなら「そろそろ考えなければ」というレベルですが、一気に60%前後にもなると「あると考えて対策を」に変わるはずです。どうしてこのような大幅増加になったのか、「地盤による速度増幅率の見直し」が決定的に効いたようです。示されている和歌山市の例でよく分かります。  全国各地の地震の確率は「地震ハザードステーション」で見ることが出来ます。これまでの1キロ四方より細かい250メートル四方のメッシュになり、「Google Map」が使われているので住所でも建物名でも入力でき、使い勝手は良好です。勤務先や自宅周辺を調べてみてください。