自民の新執行部、危機感の無さは絶望的 [BM時評]

 谷垣新総裁が新執行部を固めました。「自民、苦悩の末の“地味地味執行部” 町村派に内紛の火種?」(産経ニュース)がかなり説明になっていると思います。幹事長に大島理森・前国対委員長を起用した時点で終わりでした。政調会長にした石破茂氏を幹事長に据えるのなら、まだ戦う姿勢が見えますが、派閥領袖ら多方面と仲がよい調整型の大島氏では「保守党の再定義」など考えもしないでしょう。

 「結局、谷垣氏が大島氏を幹事長に決めたのは、川崎二郎元厚労相の処遇だった。川崎氏はかねて国対委員長への就任を熱望しており、20年来の側近を冷遇するわけにはいかなかったのだ。川崎、園田両氏の旧谷垣派を執行部に起用すれば『側近政治』と批判されると考えたようだ」というタネ明かしが出来て、これが「新生・自民党の根幹」とはとても思えません。谷垣氏の政治家としてのレベルが透けて見えます。

 時事通信の「大島氏、公明に補選の支援要請へ=自民新三役が就任会見」には、参院10月補選で「早急に(公明党側と)話し合いをして、協力を願えるよう努力したい」とあります。まだ同じ自公協力で選挙が出来ると考えているとは唖然とします。公明党側には何のメリットも無いではありませんか。いや、民主党との距離感を模索している公明の新執行部には、国政選挙で自民と組むだけで手足を縛られ、フリーハンドを制限されるのですから、迷惑なだけです。

 ブログの意見をひとつ。「自民党総裁選挙」(おっさんサラリーマン日記)は期待した河野太郎氏が小泉さんのように山を動かせなかった事について「河野太郎には田中真紀子がいなかったこと。小泉さんが大劣勢を跳ね返し圧倒的な党員票での支持を得て総裁になった。これはいい悪いは別として田中真紀子の存在は無視できない。そいういゆ応援団的存在が山本一太じゃ喧嘩にならない」「これでもう自民党の再生は難しいんじゃないかな」と厳しい評価です。