グーグル検索独占に新聞が反撃するのは困難 [BM時評] (2009/11/28)

(「BM時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 しばらく前から米国で「Wall Street Journal」を擁する「News Corp」がグーグルに記事検索させることを拒否する動きが伝えられていました。どうやら本物になり、それに検索サイト「Bing」を売り出したいマイクロソフトがかむ話になったようです。しかし、「新聞に拒否されてもGoogleは痛くも痒くもない?という驚異の調査結果」(TechCrunch)が伝えられたように、有力紙であっても新聞社がグーグルに反撃して、独占状態を崩すのはとても難しいのです。グーグル検索から離脱すること自体は収集ロボットを拒否する簡単な命令を入れるだけの話ですが……。

 「あるドイツの調査機関が、Googleの“財務的搾取”に反対する宣言にハンブルグで署名したドイツの148の出版社の、およそ1000のドメインがGoogleを去ったらGoogle自身はどうなるか、という調査を行った」「Google Germanyの上で100万種のキーワードについて検索したところ、結果の上位10項目に占めるドイツのニュースサイトの比率はわずかに5%であり、しかもそれらはGoogleに対する反対宣言に署名をしなかった出版社/新聞社のものだった」やはりそうなんですね。

 「メディア・パブ」の「WSJ記事の独占的な検索,マイクロソフトがニューズに支払う金額は?」はグーグル検索から離脱する対価をこう見積もっています。「WSJ.comへのトラフィックの25%がグーグルサイト経由からとなっている。WSJ.comの記事をグーグルが検索できなくする措置を取ると,その25%のトラフィックを失うことになる」その結果「広告売上が10〜15%減ると見積もっている。WSJ.comの広告売上高は1億ドル程度と推定しているので,1000万ドル〜1500万ドルの売上が消える計算になる」

 マイクロソフトは自社の検索サイト「Bing」に「Wall Street Journal」を独占的に検索させることで客を集めようとしています。広告の売り上げ減分を支払っても抱き込みたい意向のようです。しかし、ニューヨークタイムズなど他の大手新聞社が同調する可能性は薄いようです。そうなると「Wall Street Journal」だけを優遇した検索結果を提供することになりかねず、かえって検索の価値を落とすことになります。

 実は、個人的に「Bing」の能力を疑っています。検索を日常的にとても多く使っているので良い物ならどんどん使うポリシーですが、私のサイト「dandoweb.com」を入力すると「Bing」だけは「index.html」を見つけられないのです。グーグルはもちろん「Baidu」あたりでも問題なく検索結果のトップに「インターネットで読み解く!」を持ってくるのに不思議です。他のサイトと比べて検索結果に不満を感じたことはいくつもあり、対グーグル包囲網の軸にするには「筋」が悪すぎると思っています。


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