第210回「2026年インド人口世界一:牛糞が家庭燃料の国」 (2010/07/16)

(「BM時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 「現在11億人のインド人口が16年後には3億7100万人増えて、中国の人口13億5000万人を超える」と伝える「India to overtake China as world's biggest country by 2026, says report」(telegraph.co.uk)を見て、「大丈夫か」という思いにとらわれました。公的な人口計画がまったく働いていないインドは、電気を使える家庭が5割、家庭の半数で牛糞が燃料に使われている国でもあります。戦後の日本で言えば、薪の時代がまだ続いている状態です。

 「インドの環境問題・・・原子力と牛糞」(さまよえる団塊世代・・・インド在年9年・・・ 夢翔る世界紀行)が2001年国勢調査から「世帯数は1億9,200万、電気使用世帯は44%、燃料として牛糞と薪を使用している世帯は53%、人口増加率は1.7%。6年後の現在は、大雑把に見て、約2億世帯、電気未使用世帯と牛糞・薪使用世帯はそれぞれ50%前後だろう」と書いています。そんなに牛がいるのでしょうか。「農業就労者は約2億5千万人・1億3千万世帯、数頭の牛を飼っている農家が多い。牛は約2億8千万頭いる。インドのミルク生産量は世界1で約9,200万トン、其の内70%は貧農が生産するミルクである。ミルクと共に牛糞は家庭用燃料であると同時に重要な現金収入源」

 牛糞の原料は身近で生えている草ですから、家庭燃料として燃やしてもCO2排出量は増えません。「図録▽世界各国のCO2排出量」で大人口のインドが中国の4分の1しかCO2を出していないことを確認してください。1人当たり排出量が先進国の1割くらい、世界最低レベルである点が大きく効いています。

 冒頭の記事は、人口増加は5億人の貧困層をさらに増やすと同時に「毎年16万人の優れたエンジニアと100万人以上の工業技能者を生み出す」とも書いています。強気の方なら人口増大は成長要因との見方もあるようですが、増え方が膨大すぎて、自然と共生している生活のバランスを大きく崩す恐れがあります。日本の家庭が薪からプロパンガスに移行したのに習って「インドの農民が生活水準の向上と共に電気を使いプロパンを使い、牛糞を活用しなくなったら、大変な事になる。あっという間に日量200〜300万バーレルに相当する化石燃料の消費増となる」と「インドの環境問題・・・原子力と牛糞」は危惧します。人口が制御できないインドは貧富の差、経済成長のまだら模様がひどく、無政府状態のまま、世界最大人口国に突き進むのでしょうか。

 【参照】インターネットで読み解く! 「インド」関連エントリー

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