中国式反政府デモ封じ込めが効くか注目モノに [BM時評] (2011/02/20)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 中東諸国で独裁者を退陣に追い込んだ大衆による反政府デモを、中国政府は本気でコントロールしようとしています。それに対して20日には一党独裁終結などを求める中国版「ジャスミン革命」集会が全国の主要都市で呼び掛けられて、実際に逮捕者が出たと報じられました。中国式封じ込めが本当に効くのか注目ですし、当局との対峙は当然ながら長期戦になるでしょう。

 読売新聞の《胡総書記「ネット管理強めよ」中東デモに危機感》が「中国の胡錦濤・共産党総書記は19日、北京の中央党校で開かれた会議で社会の管理に関する重要演説を行い、『情報、ネットの管理を強化し、仮想社会に対する管理の水準を高め、ネット世論を指導するメカニズムを整えよ』と指示した」と伝えました。党最高指導部の政治局常務委員が全員出席していた会議ですから、半端ではありません。

 たまたま中国に出張しているブログ関係者が天津の20日の様子を実況速報してくれています。《<中国ジャスミン革命>天津よりツイッター実況=壮大な釣り?変革の兆し?》(KINBRICKS NOW)はこうです。「参加者らしき人もほとんどいないし、何も起きないかと思ったところで事件。40代前後の男二人が大きな紙の横断幕を広げ演説をしようとするも、やってきた警官、私服にあっという間に取り押さえられる。そしてわさわさわく私服と野次馬。野次馬のうちどれほどがジャスミン見物かわからないが」「写真を撮ったおいらも警官に怒られ、写真消される。パスポートなければもっと大変だったかも……とほほ」

 朝日新聞の《上海で大学生3人を当局が連行 デモ呼びかけを封じ込め》は「上海市の中心部の繁華街で20日午後2時(日本時間同3時)すぎ、民主化を求めるデモの呼びかけに応じて集まっていた地元の男子大学生数人が警察に連行された」「北京でも、デモが呼びかけられた中心部の繁華街に厳重な警備が敷かれ、少なくとも男性2人が連行された」と伝えており、各地で連動した動きがあったのは間違いありません。

 真偽は不明ですが、デモ・集会参加者に共産党内の「一党内人士」からあったアドバイスを日本語訳した「党内人士?中国茉莉花革命集会的建?(日本語訳)」というページも面白いと思います。「党内の人間は自身の退路を確保し、独裁政権に魂を売るのをやめてほしい。一党独裁の弊害は限界に来ており、人々が主権もち、人々の意見が政府に通じ、司法が独立し、汚職の摘発、公平と公正などの諸々のことを実現していくのは、まったく不可能になっている。さらには私のような古い党員も、一党独裁に失望している。誰が共産党が覆らないと保証できるだろうか?」

 しかし、デモ・集会の呼びかけを伝えた米国サイトにはサイバー攻撃です。《中国反体制派系サイトに攻撃=「革命」集会呼び掛けの詳報後》(時事通信)にはこうあります。「米国の中国反体制派系ニュースサイト・博訊新聞網がハッカー攻撃を受け、閉鎖に追い込まれた。インターネット上では『中国当局が攻撃を仕掛けた』との見方も出ている」「20日付の香港紙リンゴ日報によると、同サイトの責任者は『19日未明から激しい攻撃を受け、アクセスできなくなった』と説明した。その後、臨時サイトを開設して、『ジャスミン革命』集会関係の情報を発信している」

 尖閣列島問題に絡んで発生した反日デモが反政府色を帯びて、中国政府の目の色が変わりました。今度のように真っ正面から一党独裁反対では飛び上がってしまうのも当然です。

 【参照】インターネットで読み解く!「中国」関連エントリー

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