15メートル大津波は、実は想定してあった!!! [BM時評]

 24日夕方から福島第一原発事故の津波想定が10メートル以上あったとのニュースが流れていましたが、夜遅くなって読売新聞が《東電、福島第一で高さ15mの津波予測していた》を報じました。「従来の想定を上回る10メートル以上の津波が到来する可能性があると2008年に試算していたことが政府の事故調査・検証委員会で明らかになった問題で、東電は同じ試算で高さ15メートルを超える津波の遡上(そじょう)を予測していたことが24日わかった」

 2008年に「マグニチュード(M)8・3の明治三陸地震(1896年)規模の地震が、福島県沖で起きたと仮定して、福島第一と第二の両原発に到達する津波の高さを試算した」というものです。経済産業省原子力安全・保安院に報告したのが地震の4日前の3月7日とはいえ、自ら危険性を認識して対応する時間は十分にあったのです。

 これとは別ですが、チェルノブイリ事故時に新聞社の原発問題取材班としての仕事で本になった『地球被曝―チェルノブイリ事故と日本』を見直して思い出しました。福島第一原発のような沸騰水型炉の再循環系配管では、大地震があると設計で許容された力の2倍以上が掛かることが大型振動実験で割り出さていました。破断しなければよいと判断でその後も放置されていたのですが、今回の事故では津波以前に、大地震の段階で配管が破断して冷却材喪失事故が始まっていたと疑われています。

 お金がかかる決断を嫌がって、至上命題である原発の安全確保を放棄してきた東電体質はずっと前から続いていました。

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