第314回「非正規雇用にある男性の半分は生涯未婚か」 (2012/08/31)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 厚生労働省が30日に発表した「平成22年社会保障を支える世代に関する意識等調査」を詳しく分析すると、非正規雇用の形態にある男性の半数は生涯未婚に終わる可能性が高いと読みとれます。収入が十分でないから結婚できないと俗に言われてきましたが、実態は想像以上に深刻であり、若い世代の半分は非正規雇用の職にしか就けない現状では少子非婚化の流れが加速しそうです。


 調査報告書は「就業状況別に婚姻の状況をみると、男性は正規就業者の方が未婚の割合が低く、女性は逆に正規就業者の方が未婚の割合が高くなっている。特に30 歳代は男性の正規就業者の未婚割合が30.7%であるのに対して、非正規就業者は75.6%となっており」と30代に注目しています。しかし、これから動く30代に比べ、40代の未婚率、非正規45.7%と正規15.1%の方がもっとショッキングです。2010年国勢調査を分析した第267回「30前後世代に明確な結婚回帰:国勢調査を分析」で計算しているように、40代の10年間で未婚率は2.6ポイントしか下がりません。45.7%という数字は、50歳時点と定義されている生涯未婚率に限りなく近いのです。

 さらに、40代男性全体の未婚率が19.8%しかありません。国勢調査の未婚率は40〜44歳が27.9%、45〜49歳が21.5%であり平均して25%近くあるべきです。標本の抽出が適正だったとすると、回答を回収できなかった部分に多数の未婚者がいると考えられます。この調査の未婚率は現実よりもかなり低く出ているとみるべきで、45.7%が実は50%を超えている実情を推測させます。なお、グラフで50〜64歳の未婚率が、正規、非正規ともあまり差がないのは、近年の非正規雇用拡大がこの世代までは及んでいないためと考えられます。

 【参照】インターネットで読み解く!「生涯未婚」関連エントリー

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