第326回「20歳前後世代で気になる生活時間使い方変化」

 総務省の「平成23年社会生活基本調査 生活時間に関する結果」で「交際・付き合いの時間は平成13年調査以降減少傾向で,15〜24 歳で大幅に減少」と判明しました。20歳前後世代が忙しいのか、といえば違います。休養・くつろぎの時間を過去10年間で最も増やしている世代です。また、趣味・娯楽にどの世代よりも多くの時間を費やしています。「交際・付き合い」、「休養・くつろぎ」、さらにもう一つ世代間で特徴的な「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」の時間での世代別動向グラフを並べてみます。  自由活動時間全体では過去から大きな変動はありません。その中で20歳前後世代は「交際・付き合い」と「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」の時間を大きく減らし、「休養・くつろぎ」が顕著に増えています。時系列の変動は分かりませんが「趣味・娯楽」に1週間で15-19歳102分、20-24歳115分、25-29歳93分と年上世代より断然多くの時間を割いています。「学業以外の学習・自己啓発・訓練」という項目があり、これにも年上世代より時間を掛けています。ネットを使って情報を集めたり楽しむ行動が若者には多いはずです。どこの時間に入っているのか考えると、「趣味・娯楽」などの項目に分散しているのかも知れません。

 それにしても若者の特権とも言える「交際・付き合い」時間の目減りは強烈です。20-24歳をみると2001年の52分が、2006年に40分、2011年には36分です。過去5年、10年の動きと連動していると思わざるを得ないグラフを最近見ました。人工妊娠中絶の推移グラフです。「人工妊娠中絶数、20万件台まで減少- 厚労省統計、20歳未満では増加」(キャリアブレイン)から引用します。  人口千人当たりの中絶率は20-24歳や20歳未満で2001年ごろにピークがあって、そこから転げ落ちています。「出来ちゃった婚」に置き換わっていればハッピーですが、男女交際自体の減少と考えざるを得ません。第311回「性交経験率低下:もっと魅力的なモノ存在?」でも、この傾向ははっきりしています。

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