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中国の新設原発稼働、安全性に問題はないのか [BM時評] (2013/02/19)

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(「BM時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 中国東北部で福島原発事故後で初の新設原発が稼働したと伝えられました。フランス製軽水炉の中国改良型と聞くだけで、大丈夫かと思ってしまうのは、かつて原子力を専門に取材した経験があるからです。欧州取材時のフリートークで、スウェーデンの原発幹部が「フランスの軽水炉なんて誰が信用するか」と斬り捨てたのを憶えています。それを、あの中国がコピーして「改良した」と称するのが百万キロワット級加圧水型炉「CPR1000」です。安手の改良品でしょう。福島事故の原発が旧式の第1世代だったのに比べれば、第2世代にはなっています。

 ロイターの《中国遼寧省の紅沿河原発が発電開始、福島事故後初めて=報道》はこう伝えました。「遼寧省にある紅沿河原子力発電所が17日、発電を開始した。18日付の同国英字紙チャイナ・デーリーが報じた。2011年の福島第1原発事故後に中国で原発が稼働するのは初めて」「これで中国では現在16基の原子炉が稼働中で、トータルの発電能力は12ギガワット超。2020年までに58ギガワットに引き上げる計画だ」


 紅沿河原発だけでさらに5基が計画、建設中で、上の航空写真(グーグルアースから)見てもかなり進行しています。紅沿河サイトは地震などの心配はないのかと言えば、渤海を隔てた唐山市が1976年に大地震に襲われ壊滅的大被害を出しました。中国では大津波は少ないとされますが、それがあてにならないことは東日本大震災で経験済みです。

 昨年書かれたブログ《中国原発「大濫造」の恐怖 数えきれない事故リスク要因》が《今年七月、中国政府は突然、国内の新規原発をウエスチングハウスの「AP1000」にまとめる方針を打ち出した。関係者によると、中国の原子力専門家自身が「CPR1000」など中国製原発の安全性に強い懸念を示したためだ。とりあえずは、不安な中国独自開発の原子炉の建設はストップされたが、中身の不安は今後も続く》と指摘しているように、危惧の念があるのは間違いありません。AP1000は第3世代に属する新型炉です。しかし、既に建設が始まっていた各地のサイトではCPR1000型が造られ続けています。

 参考になる資料として2011年の「中国の原子炉型と安全体制」をあげておきます。福島原発事故と対比しての記述もありますが、沸騰水型に比べて加圧水型が優位にあるくらいの差であり、「並の原発」であることに変わりはありません。

 【参照】インターネットで読み解く!「原発」関連エントリー
     第243回「中国の原発、無謀とも見える大増設は大丈夫か」(2011)

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