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第370回「セシウム日常的海洋流出を東電、福島県は認識」 (2013/07/10)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 福島原発の地下水観測用井戸でセシウム濃度大幅増加が報道される中、実は大量のセシウムが日常的に海に垂れ流されていました。福島県は「濃度限度を超えているが、これまでの変動の範囲内」と認識しています。東電と監督する側の福島県の頭は未だに事故発生時からの緊急事態で動いており、通常の法体系下に戻らなければならないとの意識が希薄です。世界が共有する海洋を安易に汚染し続けているのですから、国際的に非難されても仕方がない事態です。


 上のグラフは東電が公表している「発電所1〜4号機側取水口付近の海水」核種分析結果にある「7月5日取りまとめ分」から引用したものです。3号機から海に出た所にあるフェンス内側のセシウム137とセシウム134測定値が、原子炉等規制法に定める液体状の放射性廃棄物の濃度限度、リットル当たりセシウム137で90ベクレル(Bq)と、134で60Bqをしばしば超えていると知れます。5月18日のピークを調べるとセシウム137が230Bq/lと、134が110Bq/lと2倍にもなる数字です。

 今回、海に近い地下水観測井戸を掘ってセシウム137で22,000Bq/l、134で11,000Bq/lがたまたま検出されましたが、上のグラフを見ると大量のセシウムがたびたび海に出て行っているのは間違いありません。東電は「海での濃度変動が見られない」としていますが、原子炉等規制法を犯す10倍程度の変動を毎月のように繰り返しています。地下水位は変動するもので、水位が下がれば原子炉周辺の高汚染水が流れ込んで当然です。

 福島県原子力安全対策課が出している「プラント状況確認結果(平成25年2月26日〜3月5日)」は発電所専用港内の海水中セシウム137の測定結果(3月4日採取分)として「最小 3.8(物揚場前) 〜 最大 130(3号機スクリーン(シルトフェンス内側)) Bq/l」と限度を超えていると報告しています。しかし「周辺監視区域外の水中の濃度限度(告示濃度限度)90Bq/lを超えていますが、これまでの変動の範囲内である」と容認、珍しくもない事態であると明かしています。

 3月に『福島原発事故収拾が破綻している現状に気付け』で1キロ当たり74万ベクレルの超高汚染魚が見つかって盛り上がった議論を紹介しましたが、東電が無視して放置されたままです。海への放射能流出を防ぐ強力な地下遮水壁建設を急ぐしかありません。 8日から始まった護岸の地盤改良工事(薬液注入)程度でお茶を濁している時ではありません。

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