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第379回「原発後背地のタンク漏洩続出で収拾計画に困難」 (2013/09/01)

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(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 タンク漏洩は目視検査で放射能は測っていなかった――次々に現れる高汚染漏洩に唖然となると同時に、原発建屋後背地まで汚染してしまうと、建屋周辺だけ遮水壁で隔離すればよいとする収拾計画が狂い始めました。建屋の直ぐ山側で掘ったバイパス井戸の汚染レベルが上がったと伝えられ、ここから地下水を汲み上げて建屋地下への流入を減らす対策を難しくする恐れが出てきました。まだ漁業関係者などからの了解は得ていませんが、「汚染前の地下水」として海に放出することが前提になっているからです。建屋群と12あるバイパス井戸とタンク群の位置関係は下の図の通りです。


 原発建屋後背地にはびっしりと汚染水タンクが立ち並んでいます。東電が始めた放射能測定はまだ一部に過ぎません。東電の「H4エリアの漏えいに係わる汚染土壌調査・地下水モニタリング計画について」によれば、タンクの下は20センチのコンクリート層と厚さ1メートルの地盤改良層だけです。コンクリートに耐水性はなく、漏れた汚染水が地下水へ浸透する恐れが強いと考えられます。(上図はこの資料から引用)

 東電が出す資料を読んでいくと、高いレベルの放射能汚染水を絶対に漏らさないぞ、と考えてタンク群を作ったようには見えません。既に報じられている安普請はタンクの接続部を溶接しなかっただけでなく、設置している基盤や周辺部にも見られます。毎日400トン増える汚染水対策として、福島原発事故から2年半「取りあえず」を積み重ねてきただけです。後背地汚染がさらに続けば、建屋周辺で計画されているように遮水壁で大規模に隔離する事態に発展するでしょう。

 タンク外側で毎時1800ミリシーベルトの高線量検出まで進むとは信じられない思いです。第377回「現状把握が出来ない東電に代わり政府廃炉本部を」での指摘を繰り返さざるを得ません。非難さるべきはこれまで放置してきた政府です。「構内全域で放射線量の記録をする程度の実務能力にも欠けている東電に代わって、モニタリング体制の構築からやり直さなければなりません。そんな細かい実務指示までスタッフが手薄な原子力規制委に委ねるのは不可能ですから、別の執行機関が必要です」

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー

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