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第387回「最大電力供給で無視できなくなった太陽光・風力」 (2013/10/14)

(「BM時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 この夏の最大電力供給で太陽光・風力発電が果たした役割は2%、320万kwと大型原発3基分に相当しました。昨年より倍増して無視できない規模になり、大増設でピーク電力カットの主役にする計算もあり得ます。原発全廃で先を走るドイツに比べると大幅に物足りませんが、発電設備は太陽光が876万kw、風力が260万kwと合わせて1千万kwを超える規模まで伸びました。電力供給の一番の修羅場で太陽光発電の設備効率4割を見通せる状況です。総合資源エネルギー調査会・電力需給検証小委の「2013年度夏季需給検証のまとめについて」をもとに計算した太陽光・風力、それに原子力のグラフを掲げます。


 電力需給検証小委は最大電力の日に供給されたのは、太陽光が220万kw、風力は24万kwとしています。しかし、小口の家庭用太陽光発電ではエアコンなど自家消費で余った分を電力会社に売電する仕組みになっています。この資料から計算すると自家消費は76万kwあり、その分だけ最大電力需要が抑えられたのですからこれを除外するのは不公平です。合わせて320万kwあった太陽光・風力発電が、唯一動いていた原発、大飯3・4号の236万kwを圧倒しています。なお、他の再生可能エネルギーとして水力が1287万kw、地熱が27万kwありました。最大電力は16125万kwと膨大です。

 最大電力の計算は電力9社それぞれの最大日分を合計しています。太陽光発電は夜は動きませんから、設備効率は年間を通じては13%程度と言われます。それにしても晴れて暑い最大電力の日に全国平均34%の設備効率は低く感じます。ひとつには電力消費のピークが、太陽が南中している正午ごろではなく西に陰り始めた午後3時くらいに来るためでしょう。計画調整で午後5時にピークが来た九州電力で効率21%まで落ちたのもかなり響いています。中部・関西は4割台で、九州も関西なみだったなら平均は4割に迫ります。

 電力供給力を電力需給検証小委が事前に想定していますが、太陽光・風力ともとても低く見積もられていました。実際には太陽光が2倍、風力にいたっては10倍の電力を供給しました。

 ドイツでは再生可能エネルギーが発電量に占める割合は2012年で22%にもなっており、太陽光だけみても2010年から年間700万kwを超える増設を続けています。それも家庭用よりも大型な設備に比重が移っています。2012年初に書いた『原発無しの夏確実、太陽光発電でピークカットを』では5割のピークカットを見込みましたが、今回実績で九州電力のような特殊ケースが無ければ設備量の4割程度は最大電力供給の力になれると判明しました。250万kw分を増やせばピーク時で100万kw原発1基と同じ力なのです。原発再稼働が不透明なのですから政策的に設備増設を進めるべきです。

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