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国際成人力調査で優秀だった日本の欠陥がまた判明 [BM時評] (2013/12/08)

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(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 読解力と数的思考力でトップを得た国際成人力調査は手放しで喜べず――裏側に大きなデジタルデバイド問題を内包していたと指摘しましたが、さらに知的好奇心の面でも日本は欧米に比べ特異に低いと判明しました。OECD国際成人力調査の生データを独自分析したのが《成人の知的好奇心の国際比較》(データえっせい)です。以下に引用するグラフが示すように設問「私は新しいことを学ぶのが好きだ」に「とてもよく当てはまる」か「よく当てはまる」と回答した日本人は43%しかなく、米国人の81%とは大きな開きがあります。パソコンの苦手ぶりはわたしの『デジタルデバイド問題が表面化した国際成人力調査』で扱っています。


 好奇心についての設問は最初の背景調査の項目です。背景調査の後、パソコンで回答できるグループは「読解力」と「数的思考力」に「ITを活用した問題解決能力」を答え、パソコンが出来ないグループは紙で読解力と数的思考力だけに答えています。グラフにある数的思考力の点数は両グループを合算した結果です。北欧三国にフィンランドは成績が良い上に知的好奇心も高い特徴があります。日本は成績は平均288点とトップですが、知的好奇心では下から2番目なので先進国全体から大きく外れた場所にいます。米国やフランスなどは好奇心旺盛なのに成績は下位、英独はどちらも平均的な位置につけています。

 分析した舞田敏彦さんは《今から10年,20年先のことなんて分からない。インターネットをも超えるテクノロジーが出現するかもしれない。こういう変動社会において,躍進する可能性を秘めているのはどちらか。現在のみならず「未来」の視点も据えるなら,日本の位置に対する評価も変わってくるでしょう》と警鐘を鳴らしています。

 デジタルデバイド問題との絡みでは、イタリア人は日本以上にパソコンが苦手ですが、知的好奇心の点では8割と米国並みです。知的好奇心の最下位は韓国の36.5%で、パソコンが出来ない割合が30%と日本の36.8%に迫っています。日本と似ているとも言えます。上述『デジタルデバイド問題が表面化した国際成人力調査』で取り上げた、10代におけるPCリテラシーやネットワークリテラシーの日米格差にも視野を拡大して考えるべきでしょう。成績を見る限り若い頃の勉強は身に付いているのだが、新しいものに好奇心を持って挑む意欲が若い頃から乏しいのでは困ります。

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